テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#普通
野々さくら
750
#幼馴染
猫塚ルイ

3,361
ありあ
366
天虎村。長野県下伊那郡に位置する人口1000人未満の小さな村。
1950年頃にはダム建設の労働者で賑わい、人口は8000人をオーバーしていた。
しかし、現在は過疎化が進行しており、人口減少と高齢化が話題となっている。
ハイエースがゆっくりと諏訪部家の前で停車する。
美羽は車を降りると、一同へ振り返った。
「とりあえず荷物を持って家に入りましょうか」
荷物を抱えながら辺りを見回した茜は、小さく呟く。
「なんか寂しい感じの村だね」
その言葉に焔垂は眉をひそめた。
「バカ!そういうのは心の中に留めとけよ」
そう言うと軽く茜の頭を小突く。
「あ、やばっ!」
茜が慌てて口を押さえると、美羽はくすりと笑った。
「あはは、いいのよ」
すると、さくらも苦笑しながら肩をすくめる。
「実際に寂しい田舎だしね」
秋穂はどこか寂しげな笑みを浮かべながら続けた。
「学校とかも廃校になって、子供が
離れちゃったせいで高齢化が進んでるのよね」
信愛は少し考えるように首を傾げる。
「なら子供とかは居ないんですか?」
美羽は静かに頷いた。
「殆どいないと思うわ」
そして朝陽へ視線を向ける。
「たぶん今現時点で、村の中で
一番若いのは浦添くんかもね」
突然話を振られた朝陽は、困ったように頬をかきながら苦笑した。
「あはは・・・」
美羽の言葉に朝陽は、どうリアクションしたら良いか分からず、ただただ苦笑いをする事しか出来なかった
やがて一同は秋穂と美羽に案内され、諏訪部家の居間へ通される。
畳の香りが漂う広い和室を見渡し、茜は思わず声を上げた。
「うわぁ! 広っ!」
焔垂も感心したように部屋を見回す。
「広いって話では聞いてたけど
こんなに広かったなんて知らなかったな」
朝陽は柱や梁を見上げながら呟く。
「伝統的な日本家屋って感じですね」
秋穂はどこか誇らしげに微笑む。
「まあ、うちは代々茶農家で財を成した家系だからね」
すると茜は目を輝かせながら身を乗り出した。
「まさか家の中に温泉レベルのお風呂あったりして」
信愛は笑いながら手を振る。
「いや、まさかそれな無──」
その言葉を遮るように、美羽がさらりと言った。
「露天風呂があるわよ」
「まぢでか!?」「うっそ!?すっご!」
茜と信愛は同時に目を丸くする。
焔垂は半ば呆れたようにさくらを見る。
「花牟礼・・お前ってもしかして
実はとんでもないボンボンだったとか?」
さくらは苦笑しながら首を横に振った。
「いや、私の家は普通の家庭だよ!ね?お母さん?」
秋穂も微笑みながら頷く。
「ふふふ、そうよ」
茜は両手を合わせて嬉しそうに跳ねた。
「ならさ、今夜はみんなで露天風呂だね」
「いいね!」
信愛も賛成する。
そして悪戯っぽい笑みを浮かべると、朝陽へ顔を向けた。
「朝陽くんも一緒に入る?なんちゃって♬」
その瞬間、朝陽の顔が一気に真っ赤になる。
「い、い、一緒にですか!?」
言葉が喉につかえ、口だけが空回りする。
「お、おふ、おふ、おふ・・・」
その慌てぶりに、さくらは吹き出した。
「きゃはは、動揺しすぎ」
茜も苦笑いを浮かべる。
「今の冗談・・朝陽くんには
刺激が強すぎるって、信愛」
信愛は舌をぺろりと出し、申し訳なさそうに頭を下げた。
「あ、ごめんごめん」
しかし朝陽はまだ混乱したまま、顔を真っ赤にしてあたふたと両手を振っている。
「あわわわわ」
その様子を見た焔垂は大きくため息をついた。
「だめだこりゃ」
コメント
1件
×××さん、第91話読了したよ〜!✨ 天虎村の静かな雰囲気と諏訪部家の広さにワクワクしちゃった🏠 露天風呂あるのすごすぎでしょ!そして信愛ちゃんの「一緒に入る?」に朝陽くんが「おふおふ」ってなるの、もう最高すぎて笑った😂💕 青春感がにじみ出ててめっちゃエモい回だった〜!次も楽しみにしてるね⋆♡