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みずき
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北底@一ヶ月女体化中
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KIKU@ペア画中
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その悪化は、大声で叫ぶような分かりやすいものではなかった。
むしろ、教室のあちこちで発生する「小さな、粘り気のある塊」のような広がり方だった。
休み時間、崎岡夏太が数人の男子を手招きして、頭を突き合わせるようにしてコショコショと話し始める。
「おい、知ってるか? 『ク◯ニ』ってさ……」
「ぶっ、何それ、マジで!?」
夏太の口から漏れる小さな囁き声に、周りの男子たちが顔を見合わせ、声を押し殺して「クスクス」「ゲラゲラ」と肩を震わせて爆笑する。その笑い声は低く、どこか湿り気を帯びていて、聞いていて酷く耳障りだった。彼らは言葉の意味を、大人の動画か何かで断片的に仕入れてきているのだろう。「フェ◯チオ」「ア◯ル」そんな、小学生が普段の生活で決して使うはずのない、生々しい単語が、男子たちの間でパス回しのように密密と囁かれていく。
「おい、蹴介。こっち来てみろよ」
夏太が、ニヤニヤとした卑屈な笑みを浮かべて蹴介を呼び寄せる。蹴介は心臓がドサリと重くなるのを感じながらも、顔には瞬時に「おもしろいネタを期待するお調子者」の笑顔を張り付けた。
「お、何だよ夏太。またなんかヤバいこと企んでんの?」
わざと軽いトーンで輪に加わる。夏太が蹴介の耳元に顔を近づけ、独特の生温かい息とともに、その単語を囁いた。
「……だってさ。ヤバくね?」
その瞬間、蹴介の脳内は「キモすぎる」「拒絶」「無理」という激しい拒否反応で真っ白になった。だが、彼の肉体は完全に『クラスメイト大神蹴介』として調教されていた。
「ぶはっ! お前それマジで言ってんの!? ぎゃははは、最悪じゃんそれ!」
蹴介はオーバーにのけぞり、手を叩いて爆笑してみせた。周囲の男子たちも、蹴介のリアクションを見てさらに「ひゃはは!」と声を殺して笑う。完璧な演技。誰が見ても、蹴介はその下劣な輪の中心にいた。
(本当にキモい。何が面白いの。全員、頭がおかしくなってる)
笑い声をあげながら、蹴介の心は冷え切っていた。涙が出るほど笑っているフリをしているのに、目の前でニヤついている友達の顔が、何か別の醜い生き物のように見えて仕方がなかった。如月翔は、その輪から少し離れた自分の席で、教科書をめくる手を止めていた。教室のあちこちから聞こえてくる、コショコショという囁き声と、それに続く卑屈な爆笑。誰かがまた夏太の輪に引き込まれ、耳元で言葉を教えられ、そして「堕ちて」いく。昨日まで、普通にアニメの話やゲームの話をしていた男子たちが、今は集まってコショコショと性的な単語を言い合い、いやらしい笑いを浮かべている。
(みんな、どんどん汚れていく……)
翔の胸を、言いようのない悲しみが満たしていく。注意する人もいないこの6年4組は、もう完全にあの言葉たちに支配されていた。断ることも、無視することもできない。もしノリを壊せば、次は自分がコショコショと陰口を叩かれる標的になるだけだ。
「なぁ、翔、お前これ意味知ってる?」
一人の男子が、ニヤニヤしながら翔の席に近づいてくる。翔は引きつりそうになる口元を必死に抑え、薄い笑みを浮かべた。
「あはは……何それ。聞いたことあるけど、夏太たちマジでそういうの詳しいよな……」
これが、翔の限界だった。話を合わせながらも、心の中では激しく拒絶していた。ふと見ると、男子たちの爆笑の渦の中心で、蹴介がまた次の下品な言葉に「最高!」と笑い声をあげている。その笑顔の奥にある、蹴介の死んだ瞳。翔と蹴介の視線が、一瞬だけ、歪んだ教室の空気の中で重なる。2人だけが、心の中で激しく嘔吐しながら、この狂った楽園で「完璧な道化」を演じ続けていた。
コメント
8件
本当に狂ってんな…
されたことあるからなんかこういうの見ると泣きそうなる
( '-' )スゥーッ⤴︎ 読んでて凄く辛い?って言うかホントに陰口やめて欲しいよね…(?)