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「…だぁー後味悪ぃな。 さてと、もうそろそろ追いかけるか。美里、待ってろよ」
美里視点
はぁ…はぁ…
走って、走って!
どこに着くか分からない、どこまで行けるかも分からないけど走らないと!
リアルくんは私の『固有力』、『夢から覚ます』の存在を知らなかったから、何とか奪われずに生きていた。
それに、リアルくんの『合成せる』は恐らく自分で指定はできない。
だから、リアルくんに渡した『固有力』は『夢から覚ます3、時を創る7』だった。
今私の体には、『夢から覚ます』、『時を創る』が7:3で入っている。
この30%の『時を創る』だと、別の平行世界に行くためのポータルを作れるには作れるけど、多分行くためのポータルしか作れないと思う。
でも、ここから脱出する方法はそれしかない。
「くぅ…ごめんねラキくん、辛いこと全部任せちゃって…『時を創る』」
本当にごめんね、さようなら
ピュン
…ここは。
新しい世界。いや、既存の別世界か。
ん?あれは…。
「よっ、おはよ。ごめん待った?」
「待った」
「あはは、そうかごめん」
あれは…お寿司?いや、お寿司が喋るわけないし…目も口もある。何だこの世界は?
「はぁ…今日も収録でしょ?早く行くよ。いと」
「ハイハイ、わかったよトロちゃん」
……まるで意味が分からない。逃げてきた先がお寿司の世界になっている?
それに、あのお寿司は普通のお寿司よりも、ひとまわりくらい大きい?
どういう事なんだ?
「はぁ…全く、『合成せる』はほぼ使わないからデメリットが分からないね」
「…リアル」
「君も友達を見捨てたのか。そして、ここに来たか」
早くもリアルくんに見つかってしまった。もう生きられはしないだろうな。
「リアルくん、最期に1ついい?」
「あ、いや、ちょっと待ってくれ」
ん?どうしたんだろう?
「………あー、いとがお前に直接会いたいってよ。俺の身体といとの身体を交換するから、今から会うやつはリアルではなく、いとだと思ってくれ」
どうして突然いとくん(?)が?
「…あーあー、マイクテスト、マイクテスト。聞こえる?」
「あ、はい」
声のトーンが上がった。
「初めまして…だよね?僕の名前は『白咲いと』だよ」
「どうしていとくんが私に会いに?」
「まぁ唯一の生き残りだから、せっかくだから真相を話そうと思ってね」
『唯一の生き残り』か、ラキくんたちは…。
「真相って?どういう事?」
「順を追って説明しよう」
「まず、この世界は『日常』と言う」
それは黒野くん達が求めていたやつじゃないの?
「黒野の親達が言っている『日常』は、『別の世界と別の世界を掛け合わせた世界を創ることが出来る世界だ』」
世界が多くてこんがらがるね。
「そして、僕の言う『日常』は、君達がいた世界の事だ。要するに、『目的を達成するまでループする世界』だね。悪くいうけど、『実験のために創られた世界』だよ」
でも、どうしてそんな世界を創るの?
「僕が現実でできなかった『ハッピーエンド』を創りたかったからさ。いわば現実逃避だね」
今回はハッピーエンドとは程遠いけど?
「そうなんだよねぇ…全く黒野のやつ。後で説教だな」
その世界はどうやって創ったの?
「それは企業秘密ってやつだ」
リアルくんといとくんの関係は?
「僕と黒野の関係は、『別の人格』だね。僕は二重人格で、1つが僕、2つが黒野だよ。あ、主人格は僕だからね」
どうして黒野は私達の世界に来たの?
「自分の創った世界が乱れたり、壊されたりした時に制裁を加える、または正す為に送り込んだ。自由にさせてたらこんなことになってたけどね」
この実験は、まだ続くの?
「あぁ、またやろうと思ってる。でも、この世界に来たのは君が初めてだ」
『固有力』はどうして存在したの?
「この世界に気づいて欲しかったからだ。それに、全く同じ実験を何回も何回も繰り返しても意味は無いだろう?だから、オリジナルを加えたのさ」
次の世界に行った時、私の記憶は消える?
「あぁ、消える。…なんだ?残して欲しいのか?」
いや、別にそういう訳では…。
「なんだよ、残して欲しいなら言ってくれれば良かったのに。あ、そうだ、オリジナルの要素として加えよう。『超能力があって、美里の記憶がある世界』」
で、こっからは関係の無い話になるけどいい?
「全然構わないよ」
私が来たこの世界の名前は何?これもあなたが創ったの?
「この世界の名前は『The・Food』おすしが人間として存在している世界。この世界も僕が創った」
ベースは『日常』?
「そうだね、根本的なところは『日常』と一緒だね。あのトロちゃんいるじゃん?あれが美里だよ 」
【おい、話は終わったか?】
「まだ話し足りないけど、いいよ。終わった」
【じゃあ身体を返してもらう】
「はいよぉ」
「さて、これから美里の『固有力』を奪うが、次の瞬間には記憶を保ったまま始まる。最期に言いたいことはあるか?」
「また一緒に遊ぼうね、黒野くん」
「…全部終わったぞ?いと、これからどうする」
「どうするも何も、また始めるんだよ」
「もう終わりにしないか?こんなこと」
「ハッピーエンド。全てはこのために動いている。幸せな終わりのために」
「どうしていとはそこまでしてハッピーエンドを求む?」
「そんな深くまで知ろうとしなくていい。知らない方がいいことだってあるんだぞ?」
「次の世界で『超能力』を持つのは誰だ?」
「まず、生まれた時から持っているのはラキくん。次に黒野が与えるのが…誰にしよう?」
「俺の自由でもいいか?」
「確かに、別にそれでもいいよ」
「美里の記憶はどれくらい残す?」
「全てさ」
「それじゃあ、もうそろ始めようぜ 」
「あぁ、わかってる。『日常』に加わった『超能力』…名を冠するなら…『日常能力』かな」
「…タイトル回収できて嬉しそうだな」「当然だよ( ´∀`*)」
「*もうそろそろ終わりにしよう*」