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🇺🇸「お前は…あの時の!」


幼い俺を誘拐した奴と全く同じ姿、声だった


「おいフランス。あまり脅すな」


もう1人、聞き覚えのある声が


🇺🇸「ん…?プロイセン!?」


プ「すまんなアメリカ。でも落ち着いてくれ」


🇫🇷「辺境の若造はこれだから。まぁいいや

君のお父さんが会社で不正をしてるのは知ってるよね?」


🇺🇸「違っ…でも親父は」


プ「そこで今、警察が家宅と会社を捜索してるんだ。そこで一時的に保護してるんだ。

お前の弟は別室にいるぞ」


誘拐されてるわけではないと思った反面、

親父の会社が本格的に調査されはじめたという

俺は親父を信じているが果たして…


🇺🇸「親父に会っていいか?」


プ「それなんだが…1人にさせてくれとのことだ」

🇫🇷「逃れられない所まできてもう心が落ち着かないのかなー?」


さっきから思っていたがこいつの言動には苛立ちがおさまらない

まるで自分が仕組ませてやったように

プ「悪いが…今お前の父親を信じているのはお前と弟くらいだ。ロシアも…信用を失ったようでな」


🇫🇷「家族に信じられてる時点でまだマシだけどね」


🇺🇸「なんで…」


プ「今まで言ってなかったが…あの事件以降、

イギリスはずっと様子がおかしかったんだ」

あの日以来、イギリスは以前より心配性な性格になった。何かに怯えているように

少しの部下のミスでさえ、強く怒るようになり、俺たちの会社はより完璧主義に染まっていった

もちろん、俺たちの異変にはすぐ気づいてくれたけど…


プ「お前が想像を遥かに超えるほどな…」


🇫🇷「いちいちしつこかったよ。なんか子供扱いされてるみたいでさ」


あの日から…親父が狂った?

だとしたら…俺の…せい、なのか?

その後も俺は親父のことについて聞かされた

俺が思ってた親父とは全く違う像だった


🇺🇸「そんなことが…」


ロ「あるんだよ」


プ「ロシア、来てたのか」


ロ「先程情報が入った…イギリスの家に…会計不正するためにあった紙などがあったそうだ」

🇫🇷「やっぱりブリカスじゃーん」


プ「これは…大きな問題になるな」


投資家に大人気の大企業。その不正発覚

市民はその企業をいっそう軽蔑するだろう


ロ「確定したみたいだから…俺は退職する」


🇺🇸「待てよ!」


ロ「いつまで親を信用してるつもりだ?いい加減諦めろ」


プ「そこまで言わなくてもいいんじゃ…」


🇫🇷「プロイセンは退職しないの?」


プ「…保留」


各々が今後の方針を決める中3人はアメリカを見つめる


3人「君はどうする?」



3人に聞いてわかったのが、プロイセンやロシア以外にも退職届を出すのを決めた社員はいっぱいいるそうだ

俺は…


このまま親父の元を離れれば俺は自由を手に入れられる

でも…それでいいのだろうか。親父が悲しんでる状況の中でやるのはさらに深刻なダメージを与えかねない

子としてそんな姿は見たくない…


コンコンコン


1人で悩んでいるうちにドアのノック音が鳴った


🇺🇸「だれだ」


🇨🇦「兄さん…」


🇺🇸「カナダ…!」


悲しげな顔をしてやってきたのはカナダ

アメリカの隣に座る


🇨🇦「この後父さんは どうなっちゃうのかな…捕まったりしないよね?」


🇺🇸「わからねぇよ…」


ただで済むはずがない。警察に取り調べされて場合によっては起訴される可能性もある

でもそうなったとしたら俺たちはどう生きていけばいいのか…


🇨🇦「兄さん…僕たちこの先どうやって生きていけばいいの…?」



「おい起きろ、朝だぞ」


気付けばカナダと一緒に寝てしまっていた

起こしてくれたのはロシアだった


ロシア「イギリスは今…検察官に送検されている。しばらく会えないだろう。そこで提案だ」


🇺🇸「提案?」


ロ「このまま俺たちの一緒に来るか、こども施設に送られるかだ」

🇫🇷「俺たちと一緒に来た方がいいぜ?美味い飯も食い放題だし、いい女の子も…」


ベシッ


プ「破廉恥だ」


🇨🇦「そのっ…子供施設って…」


ロ「親父が釈放されるまでだ」


🇫🇷「てかここお前(カナダ)の部屋じゃないぞ!どんだけ兄のこと好きなんだよw」


🇨🇦「違う!相談しに来ただけだ!」


プ「ま、明日のうちに決めておくんだな」


「釈放」

聞き忘れてしまったが、親父が起訴されたのはほぼ確定だ

俺は何故か怒りが湧いてきた

ここにくる前日


「私はやってないのに…」


涙を流して訴えかけたその目

あれも全て演技で、俺たちを騙すために…


🇺🇸「あれ…?なんで…涙が…」


俺はようやく気づいた


俺は親父を愛していたんだ

俺は今まで牢獄に等しい生活を送ってきた

「自由」を手に入れたかったのは親父が嫌いだった訳ではない

もっと心のままに生きたかったからだ


確かに毎日毎日狭い部屋に閉められていて気分が悪かった。でも時々見せる親父の笑顔が…

不信感を募らせた時だってあった。でも時間が経てばその思いは薄まっていった


俺にとって親父は「愛した人」だった

だから失望した。らしからぬ行動に

紳士で潔白な親父があんな小癪なことをするなんて


🇺🇸「…決めた」


俺は机の椅子に座り、鉛筆を取った




🇫🇷「どうしたんだい?こんな朝早くに」


プ「…決まったのか」


🇺🇸「あぁ…」


ごめんな、親父。カナダ

拘置所の薄暗い部屋の中

イギリスはぼーっと外を眺めていた


コンコンコン


警官「おい、お前宛にきてるぞ」


🇬🇧「誰からでしょう…」


おそるおそる封筒を開ける

中には一枚の紙が


親愛なる貴方へ

正直言って今までの生活は辛かったです

制限だらけの生活に不満だらけでした

私が味わった苦しみは貴方には分からないでしょう

それでもなお貴方を信じ続けていました

でも違いました。貴方が何故そんなことをしたのか俺には理解できません

貴方が犯した罪がどれほどのものなのか俺にはわかりません

それでも貴方を愛し続けます

さようなら  アメリカ


p.s 子供は俺たちが責任持って面倒を見る

フランス プロイセン ロシア



それは1番大事な息子からの手紙だった


🇬🇧「ハハ…息子がこんな苦しいこと考えていたのに…気付けなかったなんて…親失格ですね…」


彼の目からたくさんの涙が落ちる


息子を大切に育てるつもりが、かえって息子を

傷つけてしまった。そして、それに 気づく自分の鈍感さに

個室に嗚咽が響く。しかしそれを聞く者は誰1人いない…




プ「おい、何をしてる」


🇺🇸「あぁ、ちょっとな」


鏡に写っている額を見つめる

そこにはイギリスの子としての称号が付けられていた


🇺🇸「これ…なんとかしてくれないか?」


プ「…待ってろ」


プロイセンが持ってきたのは円状に星が描かれている紋号


アメリカはユニオンジャックの上にもらった紋号をつける


ロ「似合ってるぞ。アメリカ」


🇺🇸「おう、これからはこれで生きていく」


ユニオンジャックの喪失

それは、親との決別を意味するものである

今ここに、1人の男がイギリスから独立した




「ほーん…ユニオンジャックを無くしたのか…」


遠くで1人眺めているものがいた


「フフフ…ハッハッハッ!まさかこんなに上手くいくとは思わなかったよ!たくさんの人も騙せるとは!

恨めしい奴にも復讐を果たせたし…


これからは僕の時代だ








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