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第26話「いつか名前を返すよ」
登場属性:波属性→未所属(脱落)/記録:潮属性




登場人物:


ミナヅチ=ソラ(元・波属性)

 かつて波属性の代表候補だった生徒。今は制服の襟章を外し、波域のマークも消えている。灰い髪を後ろでひとつ結びにし、まぶしそうな目元はいつも伏せられている。

 「もう、自分をうまく使えない」——そう言って授業にもあまり出てこない。波の共鳴を一切受けつけなくなった“脱落者”。


ヒトツメ=ナナミ(潮属性・生徒記録係)

 緑がかった水色の短髪。袖をまくった制服の下に、感情記録用の小型デバイスをつけている。誰よりも“波”に敏感で、教室では静かにみんなの“変質”の過程を記録している。

 “無言のSOS”を察知するのが得意。





ある日の記録。ヒトツメ=ナナミの波域手帳より——


> 「ソラさんの“波”は、たしかにまだそこにあった。

 でも、それは名前を捨てるようにして、

 自分の“呼ばれ方”すら、誰かに貸しているようだった。」






放課後の備品倉庫。誰もいないその中で、ソラは水面のような空間をぼんやりと見つめていた。

そこに記録用のマイクを持ったナナミが入る。


「きみの波、まだ呼びたいと思ってる人、いるよ」


ソラは首を横に振る。「違うよ。呼ばれてるのは、前の名前。もう、それはぼくじゃない」




> 「でもね」ナナミが言う。「いつか、誰かの波とまたぶつかったとき。

 その時には、返せると思うよ。名前。」






波のように、名前も個性も、形を変えてまた帰ってくる。

ソルソの中で変質が進むように、忘れられたものも、揺れながら変わっていく。





海洋高校−物語は波のように−

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