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「あの力は俺にとっては今はまぁ重宝しているが、由貴はどうや」
「実に無駄な能力や、東京で1人だと実に無駄すぎて」
「そんなこと言ったら天狗様から怒られるぞ……」
「だってみえて、惹きつけるだけでそれでおどろいておしまいだ。お前は倒せるからまだいい」
「……だからあのとき一緒にいようって言ったやん。お前だけ東京いっちまった」
二人の喧嘩はまた始まった。
「虹雨がアホやから大学落ちて実家の居酒屋やるしかなかったやろ」
「アホやない、たまたまや。やったらお前も俺が大学落ちたら一緒にいたいから東京行かず残りますーって言えば済んだ話やないか」
「一緒にアホになりたくない……でもアホだったからあの頃はたくさん幽霊をみてやっつけた……」
「少年怪奇クラブのような感じで楽しかったな」
「んな!」
天狗様に命と能力をもらった2人はその後、街の幽霊達の治安を取り仕切っていた。2人は最強の2人だった。テレビや雑誌にも取り上げられてたくさん注目されてお金も名声も得た。
しかし進学、という人生の岐路、運命の悪戯で離れ離れになった。
そうすると能力はそれぞれ中途半端な成果しか出なかった。由貴はただ幽霊をみえるだけ、虹雨は金儲けのために使ってはいるもののなかなか認知されない。能力を授かった小学生の末路は今この状態である。
30過ぎた2人、こうして変な再会をした。
「また宜しくな、相棒」
「おおう、再会に乾杯」
「ってお前いつの間にビールたのんでるんや」
「だって雨降ってるからちょっと飲もうと……くはぁ~久しぶりのビール!!」
「このやろ、調子に乗りやがって」
またまた喧嘩が始まろうとしているが2人、目が合うと笑ってしまった。
「さて、まずはお前の肩に乗ってる幽霊除霊から始めるか」
「そうやなぁ~なんとかしてくれや。さっきから気になって仕方なかったん」
「平気で杏仁豆腐にビールいったなぁ」
「これは日常茶飯事なんや……こないだのコンビニのは流石に怖過ぎた」
由貴の肩には真っ赤なヒールを履いた脚だけの女性の幽霊が乗っている。
「それよしか目の前の自殺したっぽい見習いアルバイトの幽霊でもええけどねー」
「湯切りずっとしとるやないか。なぁ、どっちが撮り高ええんやろ」
「さぁ、お前のリアクション次第や」
「また僕の間抜けな姿撮られるんやな……」
2人は笑った。
コメント
1件
第5話、すごく良かったです…!由貴くんと虹雨くんの関西弁の軽妙な掛け合いがもう最高で、離ればなれになってたのに再会した瞬間から昔みたいに喧嘩できる距離感が尊すぎます😭 杏仁豆腐にビールを平気で流す日常とか、肩に乗った赤いヒールの幽霊を気にしつつ「どっちの撮り高がええんやろ」って笑い合える空気が、もうこの二人の関係性そのものって感じで胸がじんわりしました。また相棒同士で幽霊退治する日々、続いてほしいなあ…!
麻木香豆
107
ねらち
149
48
重田💋(omoda)
77