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「居た。どうしたんだ?嬢ちゃん」
その人はiоの前に座って声をかけてきたんね。その声が、ちょっと男っぽくって、でも、女の子みたいなちょっとだけ高い声、何となくだけど、姉さんの声に似てる気がしたんね。全然似てるはずないのに。
「ヘ?う、あ」
そんな事を考えてたら、前よりももっと涙が出てきたんね。
声を掛けてくれた人は凄く驚いてどうしようか悩んでるんね。泣き止まないとなのに、涙が言う事聞いてくれないんね。
「ええっと、と、取り敢えず、これで涙拭け」
そう言って、声を掛けてくれた人は、金色のデイジーの刺繍のしてある真っ白のハンカチを目の前に差し出してきたんね。
「ヘ?う、ね”え”さ”ん」
あのハンカチは、姉さんのスカートみたいで、さらに姉さんの事思い出しちゃってワンワン泣いちゃったんね。
「ええっと、なんかあったのか?俺はお前の姉さんじゃないが話は聞いてやれるぞ」
ハンカチを差し出してくれた人は、オロオロしながら、でも、優しい声でiоにそう言ったんね。それから数分涙が止まらなくても、その人は、iоを置いていったりしなくて、ただ、優しい笑顔で側に居てくれたんね。
数分して泣き止むと、その人は、安心したように微笑んで、iоの事をまじまじと見たんね。
「お前、ドールだったのか」
そして感心したようにポツリと言葉を漏らしたんね。
「俺は独華。ドイツ様のドールで女だ。お前 は?」
そして、その人は、自己紹介をしたんね。男の人かなって思ってたら女の人だったんね。ちょっと申し訳ないんね。
黒縁の眼鏡の位置をもとに戻しながらそう言った独華は、ちょっと知的で、大雑把そうな雰囲気だったんね。
「独華、、、?独、、、あ!イタリー様の言ってた人なんね?」
独華っていう名前に何処か引っかかって、繰り返し口にすると、イタリー様の言ってた人とおんなじ名前なのに気がついたんね。
イタリー様が言ってた人なのか確認を取ると「多分」って返ってきたんね。
「イタリー様が言ってたほど怖くないんね」
独華の事をイタリー様は怖い怖いって言ってたけど、優しい笑顔を見せてくれる独華は怖くないんね。そう思ったら口に出てたみたいなんね。
初対面って事で、まだ緊張してるけど、自己紹介するんね。
「ioは伊華なんね。イタリー様のドールなんね」
ちょっと恥ずかしがりながらもしっかりと言えたんね。
公園の片隅に座っている二人をタ日が優しく照らしてくれるんね。