テラーノベル
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午後十時半。佐野勇斗は、友達と繁華街を歩いていた。
💙「なあ、明日一限やっけ?」
🤍「知らね。吉田に聞けば?」
🩷「いや、あいつに聞いたら絶対怒られるじゃん」
佐野は笑った。
吉田仁人。
同じクラスの、クソ真面目な男。
授業をサボれば説教。課題を出さなければ説教。遅刻すれば、朝から説教。
顔を合わせるたびに小言を言われるせいで、
最近ではあいつの声を聞くだけで眠くなる。
❤️「つーか、吉田って夜何やってんやろな」
🤍「勉強じゃね?」
💙「うわ、ありそう」
そんなくだらない会話をしながら、佐野は路地の向こうにある店へ目を向けた。
派手な看板。
店の前に立つ、黒いスーツ姿の男たち。
そのうちの一人が、通りかかった客に向かって深く頭を下げた。
💛「いらっしゃいませ。本日はありがとうございます」
聞き覚えのある声だった。
佐野は、足を止めた。
……え?
今の。
もう一度、男の顔を見る。
きちんと整えられた髪。いつもの制服とは違う、大人びたスーツ。普段は絶対に見せないような、柔らかい笑顔。
でも。
💛「……吉田?」
思わず、声が漏れた。
男が顔を上げる。
目が合った。
その瞬間。
仁人の笑顔が、消えた。
💛「……っ」
明らかに、顔色が変わった。
佐野は数秒、何も言えなかった。
だって、そこにいたのは。
毎朝、眠そうな顔で教室に来る自分を叱って。
提出物を出せと追いかけてきて。
誰よりも真面目で、誰よりも正しいと思っていた、あの吉田仁人だったから。
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コメント
2件
お、新しい物語が始まったー!
あおいです🌷 読ませていただきました…!冒頭の雑談から一転、夜の街で見つけた“知らない吉田”の切り替えし、すごく巧みで一気に引き込まれました。あの「笑顔が消えた」瞬間の描写、想像をかき立てますね。真面目なイメージの裏側って、人間味があって好きです。続きが気になる……!