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髪をセットして学校へ行こうとすると
玄関のドアを激しく叩く音にキラリはビクッと
しました
慌てて振り向くと
薄暗い部屋の隅で泥酔した父が
いびきをかいて寝ています
激しくドアを叩きつける誰かを無視していても
このままでは学校にいけません
しかたなくキラリは
玄関のドアを開けました
「やっといた! お父さんは? 」
見慣れない男性が一人怖い顔で
玄関に立っていました
「・・・・・寝てます・・・・ 」
「アンタのお父さんの
酒代のツケがもう3ヶ月も溜まっているんだよ
困るんだよね!
今日こそ絶対払ってもらうよ! 」
キラリはこういうことには慣れていました
父はよく家の家賃とか電気代などを滞納しました
そのことを父に言うと決まって父は
「払わんでええ! 」
と言うのです
この意味は
いつかは払わないといけないけど
できるだけ支払い期限を伸ばせという意味です
しかし3ヶ月の滞納は長いうちで
もう れ以上支払いを伸ばせないのは
この酒屋のおじさんの気迫で理解しました
「・・・・いくらですか? 」
「2万5千円! 」
玄関で怒っている酒屋のおじさんを残し
キラリは家の奥の部屋に向かいました
洋服ダンスの一番上の引き出しから父の今月の
給料袋を取り出し中を確認しました
「3万・・・・・・・・・
今日は4日だから
25日の給料日まで5千円で
過ごさないといけないのか・・ 」
といっても次の給料もあるかどうか
わかったもんじゃありません
だって父はもう3日も酒浸りで仕事に
行ってないものですから
クビになっているかもしれません
もう父は数え切れないほど転職をしていました