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あの日。
直樹と一緒に居るところを見られたあの日。
気づかないフリをしたけど、微かなぎこちなさを蓮くんから感じ取っていた。
だけど、あのあと蓮くんも直樹との事に触れてくることもないし、特に変わった様子もない。
蓮くんとの交際は順調そのもので、私は久しぶりの恋愛を満喫していた。
おかしなもので恋愛をしていない時は特に感じなかったけど、いざ恋愛をしてみると充実しているというか、心にゆとりが生まれ些細な事でイライラしなくなったような気がする。
例えば、仕事で失敗して落ち込んでいても彼の声を聞いただけで元気になれるというか……
さすがに仕事の事で愚痴るということはないけど、私の声色で蓮くんが何かを感じ取っているらしく、何気ない蓮くんの言葉に慰められている。
蓮くんと付き合えば付き合うほど、本当に私には勿体ないなと痛感させられる。
珍しく仕事が早く終わり、ついつい蓮くんの事を考えて＊＊＊＊＊＊＊＊
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