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彼の手は少し汗ばんでいた。
多分、自分も同じだ。
でもどちらも離そうとはしなかった。
pr「……なんかさ」
彼が繋いだ手を見ながら呟く。
pr「昨日までは、こうなるとか全然思ってへんかったな」
ak「それは俺も」
pr「やのに今、手繋いどるんやもんなぁ」
不思議そうに笑う声。
夕焼けの光が横顔を柔らかく染めていて、
見てるだけで胸がいっぱいになる。
pr「……見すぎ」
ak「え」
pr「さっきからずっと見とる」
言われて慌てて前を向く。
彼はくすくす笑いながら、少しだけ手を揺らした。
pr「嬉しいから許したる」
ak「なにそれ」
pr「彼氏の特権」
またそれだ。
でも、そう言って楽しそうに笑う彼を見ると、嫌じゃない。
しばらく歩いていると、小さな公園の前に出た。
昨日寄った場所だ。
ak「あ」
pr「昨日ここおったな」
自然と足が止まる。
ベンチも、自販機も、昨日のまま。
彼は懐かしそうに笑った。
pr「まだ一日しか経ってへんのに、めっちゃ前みたいや」
ak「色々ありすぎたからね」
pr「確かに」
二人でベンチに座る。
夕方の公園は静かで、遠くで子どもの笑い声が少し聞こえるくらいだった。
彼は隣に座ったまま、肩を軽くぶつけてくる。
pr「……今日も帰したくない」
ぽつりと落ちた声。
昨日よりずっと自然な言い方なのに、
その分、余計にドキッとした。
ak「毎日言う気?」
pr「言うかも」
ak「重い彼氏だ」
pr「えぇ、ひど」
わざと傷ついたふりをする彼に笑ってしまう。
すると彼は、少しだけ真面目な顔になった。
pr「でもほんまに」
pr「今日一日、ずっと“好きやなぁ”って思っとった」
まっすぐな声。
誤魔化しも冗談もない。
繋いだ手に、そっと力がこもる。
ak「……俺も」
小さく返すと、彼はゆっくり目を細めた。
その表情が優しくて、
なんだか胸の奥まで温かくなる。
夕暮れの風が、静かに二人の間を通り抜けていった。