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古流斬
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チタコロ
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第三章 はぐれ者編
第十九話「俺たちの勝ちだ」
住宅街。
古流斬と虚飾は互いに距離を取り、向かい合っていた。
虚飾は時計へ視線を向ける。
「……時間だ。」
古流斬の体が少しずつ透け始める。
夢の残滓によって生まれた存在。
その限界の十分は、すでに過ぎていた。
虚飾は笑みを浮かべる。
「終わりだ、古流斬。」
「お前はもう消える。」
しかし。
古流斬は焦る様子もなく、小さく笑った。
「……そうか?」
その表情には余裕があった。
虚飾は違和感を覚える。
「何がおかしい。」
古流斬は静かに後ろを見た。
「もう来る。」
その瞬間――。
ドンッ!!
遠くから眩い光が空を駆ける。
ケイトだった。
ボスを倒し、全速力で駆けつけてきたのだ。
さらに。
ユーマも立ち上がり、古流斬の隣へ並ぶ。
「父さん。」
「俺も戦う。」
古流斬は優しく笑う。
「よく起きたな。」
ケイトも剣を構える。
「待たせた。」
三人が並ぶ。
古流斬。
ケイト。
黒のユーマ。
虚飾は初めて表情を曇らせた。
「……三人。」
古流斬は刀を肩へ担ぐ。
「時間切れなのは事実だ。」
「でも、それで十分だった。」
虚飾は険しい表情になる。
「何……?」
古流斬は静かに言い放つ。
「お前を足止めする。」
「それが俺の役目だった。」
「そして、その役目は終わった。」
ケイトは一歩前へ出る。
「ここから先は俺たちだ。」
ユーマも能力『夢』を発動する。
無数の剣が空中に現れた。
古流斬は二人を見て満足そうに頷く。
「余裕だった。」
そして虚飾を真っ直ぐ見据え、静かに告げる。
「俺たちの勝ちだ。」
その言葉と同時に、古流斬の体は光となって消え始める。
最後にはるかへ微笑み、ユーマへ頷く。
「……後は任せた。」
光は夜空へ溶けるように消えていった。
残されたのは、父の意志を継ぐ者たち。
虚飾は静かに拳を握る。
「まだ終わらない。」
新たな戦いが、ここから始まる。
――第二十話へ続く。
コメント
1件
うわ、第66話…読ませていただきました。 「俺たちの勝ちだ」って言葉、タイトルにもなってるけど、消えゆく古流斬が言うからこそ重みが違いますね。時間切れで透け始める中でのあの余裕、ちゃんと役目を果たした者の強さを感じました。 ケイトとユーマが駆けつける流れも、伏線が回収されるような気持ちよさがあって。虚飾が初めて表情を曇らせるラスト、次が楽しみです。