(ゴーン ゴーン ゴーン___)
魔法動力のチャイムが授業の開始を告げる。
今日の授業は「魔法環境学」。
簡単に言えば、ダンジョンやその攻略についての授業である。
「”あの遺跡”のことも 何か分かるといいけど…」
魔法環境学の担当はノーマン=カート教師。
優秀な人であると同時に、変人という噂もたっている。
…まともな授業だといいけど。
「____
ダンジョンは、形状、性質によって分類される。
ここでいう”性質”とはダンジョンがもつ、魔法的な意味のこと。
古代の建造物の無れ果てが、遺された宝を守るために作るのが”遺跡ダンジョン”
何かの神器、生物、神などを祭るため作られるのが”祭壇ダンジョン”
遺跡、祭壇に該当しない、宝を守るため作られるダンジョンが”普遍ダンジョン”
一般的に、祭壇≧遺跡>普遍
のようにおよその難易度に違いがある。
これはダンジョンの「”守るもの”によって形質が変わる」という性質によるものだ。
従って、ダンジョンの難易度が高いほど、守られる宝の価値は高くなる。
だが、宝を守るためにダンジョンが創られるならば、当然、その宝を狙う輩もでてくる。
「冒険者」。ダンジョン攻略を生業にする者達だ。
ダンジョンの攻略のため数人〜数十人でパーティを組み、仲間とともにダンジョンの宝、魔生物の素材を手にするため、命を懸けて戦う。
冒険者やダンジョン、魔生物には、実力に応じた6つのランクがある。
冒険者
E 最低ランク。最低限の実力。
D 駆け出し。パーティーではサポーターに回る。
C 一人前。高水準の実力。
B ベテラン。なれるのはごく一部。
A トップ層。アタッカーが多い。
S 王国における最主戦力。
ダンジョン、魔生物
E 最低ランク。生徒の授業では主にここが使われる。
D Cランクを含む4人以上からなるパーティが必要。
C B以上の冒険者を含むパーティが必要。
B Aランク2人かS1人を含む精鋭パーティが必要。
A Sランク複数を含む数十人のパーティが必要。
S 国としての最善の対処が必要なランク。
冒険者は、その危険度の高さから 野蛮な職業として忌まれることもあるが、
生活に必要な魔導器や その”動力源”の大半はダンジョンから賄われており、人々の生活を支える、重要な職業である。
…冒険者登録ができるのは、18歳からと決まっているのだが、実は、アークトゥルス学園の生徒は、高等部入学1年後から 冒険者登録をすることが許可されている。
これは、
「王国最高の魔術学園の 冒険者の卵ともいえる優秀な生徒に、より実戦的な戦闘の教育を施せるように」と、
魔術師のトップである、魔術総議会が許可したものだ。
____」
魔法環境学は、高校入学1年後の今日からの、初の授業で、
実技と筆記、両方によって成績がつけられる。魔法環境学なんて名乗ってはいるが、実際は実技が主体で、座学ではその攻略法を教えられる。
高等部入学1年後から冒険者になることは許可されている けど、 流石に授業ですぐダンジョンに潜るのは、何ヶ月後かかな。
「____では、ダンジョン攻略の基本はこのくらいで、
早速、パーティを作ってダンジョンに潜ってみましょうか!」
「「__!?」」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!