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直樹が同僚たちと共有していた、私を侮辱する「賭け」の記録。
それを手に入れた私は、彼らへの復讐を急がなかった。
最も効果的で、最も残酷なタイミング───
彼らが家宅捜索の騒動から逃げ切り
「自分たちは助かった」と安堵し、家族の元へ帰ったその瞬間を狙った。
私は、直樹と共に「節約妻の限界値」を楽しんでいた主犯格の3人の同僚を特定した。
彼らにも、私と同じように守るべき家庭があり、信じ切っている妻がいる。
(……同じ痛みを、あなたたちも味わうべきよ)
私は、そのログと動画のコピーを、丁寧に封筒に分けた。
送り先は、彼らの勤務先ではない。
それぞれの「自宅」だ。
宛名は、彼らの妻。
表書きには「重要・夫の隠れた債務に関するお知らせ」と、思わず手に取らざるを得ない文言を添えて。
◆◇◆◇
数日後の夜
私のスマホに、SNSの通知が次々と舞い込んできた。
直樹の元同僚の一人が、自宅で妻と激しい修羅場になり、警察沙汰の騒ぎを起こしたという。
「……まずは一人目」
私は、ワイングラスを傾けながら、手元のリストにチェックを入れた。
彼らの妻たちからすれば、夫が職場で不正に加担していただけでなく
他人の妻をいたぶり、それを酒の肴にしていたという事実は
不倫以上の「生理的な嫌悪」を呼び起こしたはずだ。
翌日、会社を辞めたはずの私のもとに、主犯格の一人である佐藤から狂ったような電話が入った。
『お前だろ!あんなものを家に送ったのは!離婚だ、慰謝料だって、家の中がめちゃくちゃだよ! 直樹がやったことで、俺たちは……!』
「あら、佐藤さん。……直樹さんがやったこと? あなたも一緒に笑っていたわよね? 『次は食費を2,000円削れ』ってアドバイスしたのは、あなたじゃない」
私の声は、自分でも驚くほど冷酷に響いた。
「あなたたちが奪ったのは、私のお金だけじゃない。…一人の女性が家族を信じて尽くした、その尊厳よ。それを娯楽にした報いは、あなたたちの家庭の崩壊で支払ってもらうわ」
『……頼む、取り消してくれ……子供だっているんだ!』
「陽太の前で刃物を向けさせたのは誰? 直樹をそこまで追い詰める環境を作ったのは誰? ……1円の狂いもなく、あなたたちの罪を計上した結果が、今の状況よ。……さようなら」
電話を切り、着信拒否に設定する。
数日後
その3人全員が、妻から離婚を突きつけられ
さらに会社からも「公序良俗に反する行為」として厳しい処分を下されたという知らせが届いた。
直樹
あなたが塀の中で孤独に耐えている間
あなたの「仲間」たちも、同じ地獄へ落ちていったわよ。
誰も、あなたを助けには来ない。
私は、新しい家計簿を閉じた。
そこには、自分と陽太の明るい未来の数字だけがある。
でも、復讐のカウントダウンは、まだ終わらない。
彼が「本当の孤独」を知るその瞬間まで。
【残り72日】
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