テラーノベル
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窓の外には、二人の門出を祝うかのように、今日の星空がどこまでも高く、美しく煌めいていた。
尊さんと一緒にいれば、どんなに深い夜が来ても、もう迷うことはない。そう思えた。
◆◇◆◇
尊さんのマンションに着き、玄関の鍵を開けた直後のことだった。
部屋のドアが完全に閉まり切る、その瞬間──。
「……っん!たけるさ……っ!?」
不意に視界が反転した。
背中に当たったのは、玄関の硬い壁の感触。
尊さんの大きな手が俺の両手首をドア越しに押さえつけ、逃げ場を完全に塞いでいた。
いわゆる「壁ドン」の形だが、そこから放たれる圧迫感はずいぶんと熱を帯びていて。
背中に伝わる冷たさとは裏腹に、至近距離まで迫る熱い吐息が、俺の瞼や頬を撫でる。
「……悪い、待てない」
掠れた、低く甘い声。
そう呟いた彼の唇が、一切の躊躇なく俺の唇へと降りてきた。
最初は啄むような、確かめるような軽いキス。
けれどそれはすぐに激しさを増し、深い場所へと俺を誘う熱を帯びていく。
「んんっ……んぅ……っ」
肺の中の酸素をすべて奪い去るような強引な口づけ。
もがく舌を容赦なく絡め取られ、吸い上げられ、膝の力がガクガクと震えて崩れ落ちそうになる。
尊さんの分厚い胸板が俺の身体を壁に押し込み、服越しに伝わる彼の心音は
俺のものと同じくらい激しく、速く打ち鳴らされていた。
「……っはぁ……はあ…」
ようやく解放された唇から、喘ぎにも似た熱い吐息が漏れる。
霞む視界で見上げると、尊さんの瞳の奥には、理性を焼き尽くさんばかりの欲望の渦が巻いていた。
「……全く…どうしてこんなに甘くて可愛いんだ」
彼の喉を震わせる掠れた声に、つま先までが沸騰したように熱くなる。
反論する隙も与えられないまま、再び唇を重ねられた。
今度は先ほどよりも執拗に、まるで俺のすべてを飲み干そうとするかのように、強く強く求められる。
「たけ……る、しゃ……」
「……れん」
互いの名前を呼ぶ声さえ熱に溶け、掠れるほどに貪り合う。
「っは……」
何度も、何度も角度を変えて交わされるキスは、止まることを知らない。
尊さんの唇はどこまでも熱く、意志を持って俺を翻弄する。
それは、俺がここにいること、俺が彼のものであることを一刻一刻刻み込むような、切実なまでの確かめ合いだった。
いつの間にか腰の抜けてしまった俺を、尊さんは軽々と抱き上げ、寝室のベッドへと誘った。
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