最後の一発が打ちあがり、沢山の来場者の拍手の音とともに花火大会は終了した。家路に向かう人の流れに混ざって私と裕斗は並んで歩く。送ってくれなくていいと何度も断ったのに、裕斗は「はいはい」と適当に私をあしらって、隣を歩いている。
「麻衣ー」
「なに?」
「また会いたい」
うん、またこうして会って話せたらいいね。その気持ちは本当なのに、付き合っていた頃とはほんの少しだけ変わってしまった気がしていて、言葉を詰まらせていたその時。
人の波に逆らって歩いてくる人物に視線が止まる。白のTシャツにゆったりとしたパンツにサンダル。見慣れた姿。
もうとっくに花火は終わってしまったのに、空を眺めながらゆっくりと河川敷を歩いている姿はコインランドリーで見ている彼の姿のままで、いつもと違うところと言えば手には本ではない何かを持っている。あれは……ひょっとこのお面……?
バクバクと心*********************
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