テラーノベル
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#女主人公
儀堂『…すいません、ちょっとトイレに…』
…すると、儀堂さんが突然前触れもなく席を立った。
ふと横顔に目をやると、その顔はどこか血の気を失い、青白く沈んでいた。
『…』
慌てた様子で一度この場から退場する彼に…
私はどこか違和感を覚える。
何かに慌てるだなんて普段の儀堂さんらしくない、と。
ーー食事を終えた私と冬橋は、その場にいる幹部たちに配慮し、
彼らの会話や行動を妨げないよう静かに席を外し、
自分たちの控えるべき場所へと戻った。
…やがて、儀堂さんが席へ戻ってくると、
合六さんがおもむろに口を開いた。
合六「本題に入ろう」
少々重圧のある口調にこの場の空気が変わる。
幸後「10億円の行方については、まだ分かっていません」
海江田「数千万の横領でも見抜く一香ちゃんが、何で10億円の移動先が分からんのや」
幸後「口座の預金や暗号資産、数字なら追えるけど現金の札束が消えたとなると…」
「私には捜しようがない」
…私たちは、長い時間をかけて、
消えた10億円の行方を追い続けていた。
2年半前、突如として失踪した早瀬夏海さん。
彼女は組織の金庫番として信頼を一身に背負っていたが、
その失踪と時を同じくして、保管されていたはずの10億円も跡形もなく消えた。
当初、彼女の持ち逃げを疑っていた。
状況だけを見れば、それがもっとも筋の通る説明に思えたからだ。
しかし、彼女の夫から話を聞いたのち、
その疑念は次第に薄らいでいった。
合六「で、儀堂さん」
「貴方に調べてもらっていたら、いきなり失踪した。」
合六「まぁ元々…貴方のことを疑ってたんですが、やっぱりそうかと思ってね」
「必死に捜してたんですよ」
合六「なのにノコノコと戻ってきた 」
…この場の緊張感が一層高まる。
コメント
1件
ああ、この第10話、すごく空気感が伝わってきました…!儀堂さんが急に青ざめて席を立つところ、普段の彼からは想像できない様子で、もうその瞬間から「何かある」って感じがしましたよね。それで合六さんの「本題に入ろう」からの一気に張り詰める空気…10億円の行方、しかも現金の札束ってところが生々しくて。儀堂さんが疑われてるのも気になるし、早瀬夏海さんの失踪との繋がりもまだ謎で、続きがすごく気になります!