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そんな風に言葉を交わしいていると、又一人、招待客がいらっしゃったようです。


「連華さん!お久しぶりです!」


次に来たのは、保洋でした。


あの日から一切変わらない聖女のような笑顔で此方に向かってきました。


「お久しぶりです。保洋さん」


彼女と合うのは三年ぶりです。


「お!もうアズくんもショウくんも来てんの?!はっや!」


来て早々に大声でそんなことを言っているのはアフリカ連合のドール、阿香里さん。


「女神っちも聖女っちもおひさ~!」


彼女の明るさには時々ついていけなくなる時があります。


彼女も能力の関係で感情が高ぶりすぎないようにしているはずなのですが、いつもテンションが高いです。元が高いからなのか、彼女の能力はなかなか暴走しません。


「お久しぶりです。阿香里さん」


「お久しぶりです」


私と保洋さんが息を揃えてそう言うと、ちょっと拗ねたような顔で阿香里さんが口を開きました。


「だ~か~ら~。阿香里さんじゃなくて、阿香里ちゃんって呼んでよ!なんなら呼び捨てでもいいんだよ?」


何処までも明るい方です。


「阿香里さん、その辺で止めて差し上げなさい。お二人が困っているではありませんか」


コツコツと刻みの良いヒールの音を響かせて、阿香里さんを注意したのは、最後の招待客である、欧州連合のドール、欧華さんです。


「げ、」


阿香里さんは、欧華さんに声を掛けられるなりそんな声を漏らしました。


「げ、とはなんです?げ、とは」

ため息混じりの声で欧華さんはそう言いました。


「いや~、ね。なんだろう、昔ヨーロッパ諸国に植民地にされてた国の連合のドールだからかな?より苦手なんだよね」


阿香里さんは、「ははは」と笑いながら欧華さんから目を逸らしていました。


「それに、遅刻した時怖いじゃん」

「自業自得です」


阿香里さんがポツリと放った言葉に欧華さんは即答しました。


「まぁ、言い争いはその辺にしておきましょう?ね?欧華さん」


「あ、はい。そうですね連華さん」


彼女も又、能力の関係で感情を抑え込んでいます。なのに、それ程大きい訳ではないけれど、彼女の瞳の奥からは私への好意が、見て取れます。恋する乙女の顔をしていらっしゃる。ですが、私はその好意を受け取る事も、掘り出すこともしません。そして彼女もその好意を伝えてくれる事は無いでしょう。


もし、私が、私達が普通のドールならば、人間ならば、恋ができたでしょうに。


そうして全員が揃い、紅茶や日本茶を飲みながら、美味しいお菓子と共に、お話も楽しみました。

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