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梶原の血まみれの死体。
教室内の空気が重く凍りつき、誰もがその死体をじっと見つめるしかなかった。
「で、でもこいつ、自分だけ逃げようとしたんだろ? 卑怯すぎる男の顛末だよ」
そんな声が、どこからともなく上がった。
梶原の死には、誰もが複雑な思いを抱いていた。
それが彼の評判の悪さを物語っていた。
「おい!」
源喜が苛立たしげに声を上げ、教室内の空気が一気に引き締まる。
「梶原先生はこのサークルのOBで、この人がいなかったら名古屋で天下のNGYラジオのイベントも、鈴森スキー場でのゲレンデラジオもできなかっただろ?
それにみんなの就職斡旋や繋がりも作ってくれたじゃねえか!」
しかし、その言葉は冷ややかな空気を呼び起こすだけだった。
梶原がどれだけ重要な存在であったとしても、その陰湿な手段で生徒たちを操作していたことは、誰もが知っていた。
源喜の父親が県会議員であることは有名であり、梶原が源喜を贔屓していたことも皆が気づいていた。
その関係が明らかになると、梶原に対する嫌悪感がさらに深まる。
「お前はいいよな……パパと先生と、いろんな後ろ盾があってさ……」
作花真威人《さくかまいと》が吐き捨てるように言った。
彼の顔には怒りと深い嫉妬が浮かんでいた。
「俺だって梶原先生の繋がりでロニーレコード会社の内定もらったけど、そっちはNGYラジオの大元、TOKFMの内定だろ? くそっ、裏口就職じゃねえか!」
真威人の声には、怒りが滲んでいた。
彼の内心では、源喜が手に入れた特権的な道に対する反発が渦巻いている。
「お前の実力不足だよ。そんな顔してるからだろ? アナウンサーは顔が命ってな……まぁ、せいぜい下っ端の雑用で頑張れよ。」
源喜は軽く肩をすくめ、真威人を挑発するような言葉を放つ。
その言葉に、真威人の手が震える。
鉄パイプを握りしめた手が、無意識に振り上げられ、源喜に向かって振り下ろされそうになる。
「お前……!」
真威人の顔が歪み、怒りがこみ上げてくる。
しかし、その手は動かない。
倫理観が彼を制止しているのだろうか。
それとも、源喜の冷徹な表情に圧倒されているのだろうか。
スダは、その様子をじっと眺めながら、口元を歪めた。
「いいですね、その調子ですよ。もっとやり合ってください。素晴らしい見世物だ。」
その言葉に、教室の女子たちはさらに怯え、泣き崩れている者もいる。
スダの目の前で繰り広げられる怒号と緊張の中、彼の冷徹な目は何も感じていないように見える。
梶原の血まみれの遺体は、ほんの一瞬だけみんなに見せられたものだったが、その惨状はひどかった。
顔は歪み、血に染まったその姿に、全員が恐怖と動揺を覚えた。
だが、それでも梶原の顔には間違いがなかった。
その証拠に、遺体には彼がサークル内で築いてきた地位の跡が残っていた。
ハルキは目をそらすことができず、梶原の上に被せられた黒い布を見つめ続けた。
彼の心には、梶原に対する複雑な思いが渦巻いていた。
彼自身も、梶原の支配的な態度に不快感を覚えていたが、今この瞬間に感じる恐怖の方がはるかに強かった。
「もう嫌だ……嫌だ!」
コメント
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第15話、読み終わりました。教室に閉じ込められたままの緊張感がすごくて、特に源喜と真威人の対立が生々しかったです。スダが「いいですね」と煽る台詞が不気味で、まるで外から観客として楽しんでいるように見えるのが怖かった。梶原の死体が一瞬だけ見せられたあとの、キャラごとの反応の差も丁寧に描かれていて、次が気になります。
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