戦場は混沌とし、タクトとミカエルは全力でミノタウロスとリリスに立ち向かっていた。黒い魔法のエネルギーが空中に渦を巻き、リリスの冷酷な笑みが光り輝く。だが、彼女の表情には少しだけ焦りが見え始めていた。
「甘いわ、タクト!」リリスは高笑いしながら、手をかざした。「お前たちに、私の真の力を見せてあげる!」
タクトはリリスの言葉を聞き逃さなかった。「ミカエル、何か手を考えろ!」彼は息を切らしながら叫ぶ。
「待て、リリス!」ミカエルは突然声を上げた。「あんた、どうして焦ってるんだ?もしかして、計画に何か問題があるのか?」
その言葉がリリスの動きを一瞬止めた。「何を言ってるの?計画は順調よ。」彼女の声には、微かな動揺が混じっていた。
「そうか?なぜこっちに力を注がなきゃならない?」ミカエルは言葉を続けた。「もしかして、何か他にやるべきことがあるんじゃないのか?」
その瞬間、タクトはミカエルの策略に気づいた。リリスが自分たちに意識を向けている隙を狙うべきだ。彼は刀を高く掲げ、「いくぞ、ミカエル!」と叫び、再度攻撃の準備をした。
リリスは、タクトとミカエルの反撃を見て、突然冷静さを失い始めた。「うるさい!私はあなたたちを倒すためにここにいるの!」彼女の声が高まり、さらに黒い魔法が集まる。
その時、ミノタウロスが一歩前に出た。「◆★☆@! ◆★※@!」彼は威圧感を放ちながら、タクトとミカエルに向かって突進した。
タクトは一瞬怯んだが、意志を固めた。「逃げるわけにはいかない!」彼は刀を握り直し、ミノタウロスの攻撃に備えた。
しかし、リリスの心の動揺が隙を作っていた。彼女は一瞬の判断ミスから、タクトの一撃を受けてしまった。刀が彼女の腕にかすめ、黒いエネルギーが一瞬消えた。
「な、何をしているの!」リリスは驚愕の表情を浮かべた。「私が、こんなことで……!」
その隙に、タクトはミカエルに指示を出した。「今だ、彼女の隙を突け!」
ミカエルは再び飛び上がり、リリスに向かって急降下した。「いくぞ、タクト!」
だが、リリスは彼らの攻撃を感じ取り、すぐに魔法を展開した。「これ以上は無理よ!今は退却するわ!」
彼女は黒い霧を放ち、その中に身を隠す。「忘れないで、私は必ず戻ってくるから!」と叫びながら、彼女はその場から消えた。
タクトとミカエルは驚きを隠せなかった。「逃げた……」タクトは呟き、肩で息をしながら地面に膝をついた。
「仕方ない、リリスは逃げてしまったが、今は冷静にならないと。」ミカエルはタクトに手を差し伸べた。「次の戦いに備えよう。」
タクトはその手を取り、立ち上がった。「あいつが戻ってくるのは間違いない。次はもっと強くならなきゃな。」
彼らは少しの安堵感を抱きながら、今後の戦いを思い描いた。リリスの復讐が待っている。次の戦いには、必ず勝利しなければならないのだ。