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埋めて
(教室/昼休み)
(マナ)「なぁ、るべ。今日放課後、どっか行かへん?」
(星導)「……俺、ちょっと予定あるから」
(マナ)「あ、そっか……。ほな、また誘うわ」
(星導)「……うん」
笑って返す星導の声は、どこか上の空だった。
マナが話しかけても、目を合わせないことが増えた。
ふとした時に感じる、距離。無意識の拒絶。
(マナ)「……」
“なんでやろ”
何も言われてへん。でも、わかる。
好かれてる感じが、せぇへん。
(放課後/渡り廊下)
(マナ)「……ロウ、ちょっとええか?」
(小柳)「ん、どうした」
(マナ)「るべがさ……最近、冷たいねん。目も合わへんし、声も前より淡々としてるし。
俺、なんかしたんかな……って、考えてまうんよ」
(小柳)「……」
(マナ)「ロウ。俺、どないしたらええん?」
言葉が崩れそうになるのを、マナは必死にこらえてた。
小柳は黙って、マナの顔を見つめたあと――低く息を吐いて、口を開いた。
(小柳)「……じゃあ、俺じゃだめか?」
(マナ)「……は?」
(小柳)「マナがこんな風に弱ってるとこ、ずっと見てきた。
もし、星導じゃなくて……俺じゃ、ダメか?」
(マナ)「……ロウ」
マナは一瞬だけ目をそらして、少しだけ笑った。
(マナ)「……ほな、ロウ。何してもええから……俺の心、埋めて」
夕焼けに染まる校舎の影で、マナの声だけが静かに響いていた。
答えは返らなかったけど、それでもマナは小柳の隣に立ったまま、目を閉じた。
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