テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
25
166
#ギャグ
正座回転ドリフト王子
182
─つーかヤバイ。めっちゃ緊張してきた。吐きそう。
!在原は極度のコミュ障であった!
吐き気でどうにかなりそうだったので、在原は猿先生の肩を掴んだ。ミシリ、と何かが軋む音がした。力加減を間違えたかもしれない。
猿先生が振り向いて在原の手首をつかんだ。
「いった!!!!!!!!!何なの!?」
「オロロロロロロロロロロロロ(ry」
在原の足元には綺麗な水たまりができた。とってもきれいな。
「何なの?」
「もう!!お前のせいで無駄に時間食っちゃったんだけど?遅れたら怒られるの俺なんだけど!」
「ごめぇん…きをつける…」
一回吐いて在原は吐き気が収まったのか、少し早歩きな猿猿先生に一生懸命ついて行く。
そこで、急に在原が口元を押さえて呻き声を上げ始めた。
「ぅう…吐きそう!!」
「!? おい、ごみ袋どこやったんだよ!?」
「ごめぇん、捨てちゃった…」
「ハ!?クソッ、どうし─」
「はは、騙されてやんの。」
─待合ロビーにて。
猿があたりを見渡しながらつぶやくように言う。
「あーれ。いないなぁ?ここって話だったんだけど。」
「どんな人なの、服とかさ?」
猿先生は顎に手を当てながらスマホを触っている。どうやらラインを確認しなおしているようだ。
「ぅーーーん、服装について何も言ってないわ。クソ。」
「口悪。」
「知らないし。」
すると、猿先生の後ろから一人の男が近づいてきた。その男はこちらを見てしー、と口元に人差し指に手を当てた。
もしかして、この人が猿先生の言ってた知り合いかな。
結構いかつい顔したおっさんだな…。怖い。
そのいかつい顔のおっさんが息を大きく吸って、猿の耳元で大声を出した。
「あーッ!!」
「ワ何!?!?!?」
猿先生が振り向く、とその男はニヤニヤとムカつく笑みを浮かべる。
「●ね。本当に●ね。」
「ははっ、面白い顔してたぞ。」
「●ねっ。」
「─で、そっちのチビが言ってた奴か。」
男が自身の後頭部を撫でながら在原を指さした。
「そうだよ。」
「ざいはら、です…。よろしく、オネガイシマス…。」
「はあ。在原。よろしく。…その顔。」
男が在原の殴られて腫れた顔を指さす。これはさっき猿先生を馬鹿にして殴られたヤツ。
「…猿先生にやられた。」
「…お前、ガキに手出すんはどうかと思うぞ。」
「お前まで何なんだよ。」
猿先生がパン、と手を叩いて
「ま、仕切り直して。こちら、熊くんです。」
猿先生が隣の男を指して言った。
「熊だ。」
猿に熊…。
「猿に熊…。」
「お似合いでしょぉ?♡」
「キッショ。」
「てかさぁ?その、熊と猿って本名なのぉ?」
在原が頭を傾けてはてなマークを浮かべる。
「あ~。まあ一応俺は本名だよ。猿って書いてませって読むのね。」
つまり、猿先生ではなく猿先生なのだ。びっくり!
「ませ…先生…!?知らなかった。」
「言ってないし。」
「てか、なんでその、熊さんは?本名じゃないの?」
確かに、猿先生は「俺は」本名だと言った。
熊は本名じゃないのかな。偽名?
カッコイイーッ!!!
「熊はビビりだからね。」
「用心深いと言え。」
熊が猿先生の頭をはたく。
「いたっ、ちょっと強かったんだけど。」
「ざまあ。」
「二人って仲良いの?悪いの?」
「仲良し。」
「ゴミ。」
「「は?」」
「仲良しの基準って難しいなあ。」(在原)
コメント
1件
うわ、この3人、猿に熊に在原って完全に動物園だ(笑)。でもコミュ障で吐きそうになりながらも「騙されてやんの」って冗談言える在原くん、ちょっと好きになりました。猿先生の本名が「ませ」だった衝撃と、熊との「仲良し」「ゴミ」の温度差が絶妙で、ほっこりした空気とグダグダ感がいいバランス。続きが気になります!