テラーノベル
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新幹線が走り始めてしばらく経った。
窓の外には、流れる景色が広がっている。
「あ~、暇や。」
ぷりちゃんが背もたれに寄りかかった。
「さっきまで窓側争ってたやつが何言ってるんだ。」
まぜちが呆れたように言う。
「それとこれとは別や。」
「意味分からん。」
二人のやり取りに、思わず笑ってしまう。
すると、
「そうだ!」
ぼくは鞄を開いた。
「お菓子食べる?」
「「「「「食べる!」」」」」
なぜか全員の声が揃った。
「反応早っ!」
ちぐが笑う。
ぼくは袋を取り出した。
昨日作ったクッキーだ。
「わぁ!」
ちぐの目が輝く。
「これ昨日の!」
「うん!」
ぼくは袋を開いてみんなに差し出した。
「あ、美味そう。」
あっちゃんが一枚取る。
「いただきます。」
まぜちも続いた。
ぷりちゃんとちぐも嬉しそうに手を伸ばす。
そして。
「あーん。」
「え?」
気付くと、あっきぃが目の前にいた。
「ひとくち。」
「自分で食べて!?」
みんなが吹き出す。
「あかん、腹痛いw」
ぷりちゃんが笑う。
「何で食べさせてもらおうとしてるんだよ。」
まぜちも呆れていた。
「だってけちちのクッキーやもん。」
「意味分かんないよ!」
再び笑いが広がる。
結局、あっきぃもクッキーを受け取った。
一口食べる。
そして。
「うまっ!!!」
大声が響いた。
周りのお客さんがこちらを見る。
「あっ。」
「あっきい!!声が大きいよ?」
ちぐが慌てて注意する。
あっきぃは口を押さえた。
「すみません……。」
それでもみんな笑ってしまう。
「ほんと美味しいな。」
あっちゃんが言った。
「また作ってほしい。」
ちぐも頷く。
「えへへ。」
なんだか照れる。
でも、作ってよかった。
みんなが美味しそうに食べてくれるだけで嬉しい。
その時だった。
「あ。」
ぷりちゃんが袋の中を見た。
「もう残り少ないやん。」
一瞬静かになる。
そして。
「最後の一枚!」
「あっ!」
「あー!」
「待て!」
気付けば最後のクッキーを巡る争奪戦が始まっていた。
「さっき席で揉めたばっかりなのに……。」
ぼくは苦笑する。
だけど。
そんな賑やかな時間が、とても楽しかった。
「またつくってあげるから!」
と僕は言ったけど、もう耳には届いていなかった。
窓の外には夏の青空が広がっている。
海まではもう少し。
ぼくたちの旅は、まだ始まったばかりだった。
コメント
1件
うわあ、めっちゃいい話やん😭💕 クッキー争奪戦、まじで可愛すぎる! あっきぃの「あーん」に吹いたw みんなでお菓子を囲む時間ってなんでこんなにエモいんだろうね🥺✨ 主人公が『またつくってあげる』って言うのが優しくて、読んでるこっちもほっこりしたよ。夏の旅、まだ始まったばかりなんだね! 続きが待ち遠しい〜🌸
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