コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
時代は令和。しかし、目の前の風景はどう見ても江戸時代の幕府そのものだった。
朱塗りの門、瓦葺きの屋敷、そして馬に乗った侍たち。しかし、それらは異様に整然としており、どこか現実離れしていた。萌香たちは「メタ幕府」と呼ばれる新勢力に直面していた。
「ねえ、メタってどういう意味なの?」
みりんが首をかしげる。萌香は腕を組み、少し考え込む。
「多分…何かを超越したとか、俯瞰的なとか、そういう感じ?」
「つまり、普通の幕府じゃなくて、上の次元の幕府ってことか!」
いさながひらめいたように声を上げるが、つきは冷静な声で言った。
「違う。メタの意味は、ここでは“全てを繋げる”という意味だ。」
「全てを繋げる?」
ゆうながその言葉を繰り返すと、つきは頷いた。
「メタ幕府は、異次元の力を持つ者たちが集まってできた組織だ。彼らは、次元、世界を繋げて支配しようとしている。」
その言葉に、場が一瞬静まり返る。
「それって、私たちが異世界で集めたアーティファクトと何か関係があるの?」
萌香が問いかけると、つきは険しい表情で答えた。
「大いに関係がある。メタ幕府の目的は、アーティファクトを使って時空を完全に壊し、全ての世界を一つに統合することだ。」
「でも、どうして江戸時代の幕府のスタイルなんだ?」
みりんが不思議そうに尋ねる。
「それは、彼らが日本の歴史上、最も効率的に統治が行われていた時代の形式を借りたからだ。」
つきは淡々と説明する。「江戸時代の幕府は、完璧な支配体制だった。彼らはそれを手本にし、さらに異次元の技術と力を加えた“究極の支配体制”を構築している。」
「なるほどね…」
いさなが感心したように頷く。「でも、そんな支配なんて許せない!絶対に阻止しないと!」
一行が話していると、突然、甲冑を纏った侍たちが現れた。しかし、目は人間のものではなく、異次元の光を宿している。
「やっぱりただの幕府じゃないみたいね。」
萌香は電気を操る異能を発動し、指先に稲妻を走らせた。
「行くぞ!」
いさなが釜を召喚し、みりんはその釜にろ過した水を流し込む。
「俺たちの力、見せてやる!」
ゆうなも全力で応戦する。
しかし、次々と現れる敵に、徐々に追い詰められていく。
その時、侍たちを制止するように、奥から威厳ある声が響いた。
「よく来たな、異能の者たちよ。」
現れたのは、豪華絢爛な甲冑を纏った男。その目には、計り知れない力が宿っていた。
「我が名は、メタ幕府の将軍、“徳川めたのすけ”。」
彼は冷笑を浮かべながら言葉を続けた。
「君たちの力、見せてもらおうか。そして、その力が我が幕府の一員に相応しいかどうか、試してやる。」
その言葉とともに、周囲の空間が歪み始めた。彼らは異次元の戦場へと引きずり込まれる。