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【あなたはワタシ】 作 夢宮楓
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[登場人物]
私=主人公
私ではない私=妹
おばあさん=近所のおばあさん
※痛い(辛い)=心の辺り(心が)
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『あなた達、双子なのね、似てる』
私達に笑いながらおばあさんが言った。
『そうですか?』
『まぁ確かによく言われるけど……ねぇ?』
私達は顔を見つめ合った。
『おばあさん、私達って特別?』
私はおばあさんにきいた。
『えぇ、あなた達はひとりっ子とは違うわね』
にっこりと笑いながらおばあさんが言った。
『……』
私じゃない私は無表情になった、そして私は笑顔になった。
『そうでしょ!!私達はやっぱり特別なのよ!!』
私は笑顔で私であり私ではない私に言った、だが私ではない私は無表情のままだった。
『ではさようなら、おばあさん♪またいつか会いましょう』
私はふかくお辞儀して去っていく、追いかけるように私ではない私がついてきた。
私ではない私は[かわいい]という言葉がよく似合う可憐な美少女、綺麗で可愛くて純粋で……私は私を守りたいの。
ただそれだけよ・・・・・・
今日も私と私ではない私は一緒に出掛けた。
『天気いいね』
『うん……』
最近、元気がなくてちょっと心配……だけど、これも私がそばにいるからみれる特権よね♪私は心配しつつも嬉しかった。
『……いい加減離れなさい』
と父や母が言った、くっついてるから?気持ち悪いから?なぜ?なぜ私と私ではない私を離そうとするの……?嫌だ離れたくない、彼女は私だけの特別な存在なのだから!!
『私と一緒にいるの嫌?』
私は私ではない私に聞いた。
『辛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い』
ただ同じ言葉を並べてそう私じゃない私は言った。
『私、離れるのが辛いの、だから離れたら許さない私達は特別なの一緒にいようね』
私は微笑んで私ではない私に言った。
『痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い』
……なんどもなんどもそう彼女は言った。
彼女の泣き顔はとても綺麗だった。
『私も痛い、わかってるわかってるの』
私は必死に言うが彼女はもっと辛そうで苦しそうで……その分、私は何もしてやることができないことがとても苦しかった。
『死にたい……』
彼女はそう言った、でもその時、私は私ではない私が私から逃げようとしてると感じた。
『だったら私が先に死ぬ』
『ダメ……先に死なないで……』
泣きながら私を抱きしめてきた……私は嬉しかった……でもそれとプラスに死の、1人になる恐怖も感じた。
私は……寂しいから寂しいからじゃない……私は怖いから嫌なのだ、1人になること、ずっといた人がいなくなることが、私にとって1番、悲しく辛くて怖い恐怖なのだ……だから一緒にいてね・・・・・・。
『……痛いよ助けてよ』
私ではない私の悲痛な声……悲痛な声を私の心を痛めつけていく……ごめんね……なにも出来なくてごめんね……そばにいるのになにもできなくてごめんね……。
私は私はなにもできない
私は私はそばにいても助けてあげられない
ごめんね……本当にごめんね
ずっと大好きだから……
そばにいさせて……
私はあなたの特別でいさせて
あなたのこと
ずっとずっと愛しているから……
『ずっと……』
『ねぇずっと一緒だよ』
あなたはワタシ、ワタシはあなた
片方だけでは生きてけない
ワタシはあなた、あなたはワタシ
終