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プレゼン当日。
朝七時。
まだ人の少ないオフィスに、照と辰哉の姿があった。
最終確認。
何度も読み返した資料。
修正を重ねたスライド。
ここ数週間、二人で積み上げてきたものが、今日すべて形になる。
💜「緊張してきた……」
辰哉が小さく笑う。
💛「珍しいな」
💜「だって役員まで来るんだよ?」
💛「辰哉なら大丈夫」
💜「その自信どっから来るの」
💛「知ってるから」
照はパソコンを閉じた。
💛「努力してるところ」
💛「ちゃんと見てた」
辰哉は照の言葉に少し照れたように笑う。
💜「……ありがと」
────────
午後一時。
大会議室。
プレゼン開始。
大勢の役員や取引先が見守る中、照が話し始める。
落ち着いた声。
堂々とした立ち姿。
辰哉も隣で資料を切り替えながら説明を続ける。
途中、質疑応答。
役員の一人が厳しい表情で口を開いた。
「この企画にはリスクがありますよね」
会議室が静まる。
辰哉が答えようとした瞬間。
言葉が詰まる。
予想外の質問だった。
その時。
照が一歩前へ出る。
💛「その点については」
照は落ち着いた口調で説明を始めた。
辰哉が言おうとしていた内容を、そのまま引き継ぐように。
目が合う。
照は小さく頷いた。
“大丈夫”
その視線だけで伝わった。
辰哉も深呼吸をして続ける。
💜「補足します」
二人の説明が自然につながっていく。
まるで最初から打ち合わせていたかのようだった。
────────
一時間後。
プレゼン終了。
会議室を出た瞬間。
辰哉は大きく息を吐いた。
💜「終わったぁ……」
照も珍しく肩の力を抜く。
💛「お疲れ」
💜「照も」
部長が笑顔で近付いてきた。
「二人とも最高だった」
「先方の反応もかなり良かったよ」
💜「本当ですか?」
「特に二人の連携」
「長年一緒に仕事してるみたいだった」
辰哉と照は思わず顔を見合わせる。
長年。
その言葉が少しだけくすぐったかった。
────────
夜。
会社ではプレゼン成功を祝って、ささやかな食事会が開かれた。
社員たちは楽しそうに話している。
辰哉も久しぶりに心から笑っていた。
その様子を、照は少し離れた場所から見つめている。
「照さん」
隣に後輩社員が立つ。
「今日のプレゼン、本当にすごかったです」
💛「ありがとう」
「辰哉さんとも息ぴったりでしたね」
照はグラスを見つめながら静かに笑う。
💛「昔からだから」
その一言に、後輩は首を傾げた。
「?」
💛「いや、何でもない」
────────
食事会も終わり。
会社を出る。
夜風が少し涼しい。
二人は自然と同じ方向へ歩いていた。
しばらく無言。
でも、その沈黙は心地よかった。
💜「今日さ」
💛「うん」
💜「助けてくれたでしょ」
照は少し笑う。
💛「隣にいたから」
💜「違う」
辰哉は立ち止まる。
💜「あの質問」
💜「俺、一瞬頭真っ白になってた」
💛「分かった」
💜「なんで?」
照も足を止めた。
街灯の明かりが二人を照らす。
💛「辰哉が困ってる顔」
💛「昔からすぐ分かる」
辰哉は思わず笑ってしまう。
💜「そんな顔してた?」
💛「してた」
💜「恥ずかしい」
💛「だから助けた」
照は少し照れくさそうに視線を逸らした。
💛「昔も」
💛「これからも」
💛「困ってたら助ける」
その言葉に。
辰哉の胸は静かに熱くなった。
五年前、一度離れたはずなのに。
照は今も変わらず、自分の隣に立とうとしてくれている。
辰哉は小さく笑って頷いた。
💜「じゃあ」
💜「今度は俺が助ける番だね」
照も穏やかに笑う。
💛「期待してる」
その約束は、五年前には交わせなかった約束だった。
二人はまた並んで歩き始める。
今度はもう、少しだけ距離が近くなっていた。
コメント
1件
めっちゃ良かった…!!😭💕 プレゼン本番の緊張感も、照が咄嗟にフォローに入るところも、もう胸がギュッてなったよ…!「知ってるから」「ちゃんと見てた」って照の言葉、さりげないのに重みがありすぎて好き。そして最後の「今度は俺が助ける番」って辰哉の台詞、五年前の約束を取り戻す感じがエモすぎてもう泣く…!ますますこの二人の行方が気になる!次の話も楽しみにしてるね⋆♡
#めめこじ
雫
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ゆんしょ
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