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自分「流石に夜は冷えるな。」
と、あまりの寒さに僕は愚痴をこぼした。
夜空には綺麗な満月が浮かんでいる。
まるで、さっきの夢なんて、無かったみたいに
自分「あれ?」
そこで、僕は気づく。
施設から少し離れたところにある倒木。
そこに腰を下ろす少女の姿に。
自分「おい、何してんだ?」
僕がそう聞くと、少女は驚きながら振り向いた
???「え?私、ですか?」
自分「当たり前だろ、他に誰がいるんだ?」
???「いや、あの、えっと。」
少女はモジモジとしていまいち分からない。
自分「なんだ?何かあるのか?」
???「私、自分の能力が制御できなくて。」
能力が制御できない、珍しいことだが稀にいる。能力が強いが故に暴発するのだ。
自分「で?それでなんで驚くんだ?」
???「私の能力が姿を消すものなので。」
自分「なるほど。」
恐らくは、姿を消す能力が暴走して常に見えないのだろう。
自分「誰にも見えないのか?」
???「えっと、家族にも見えないです。」
けど、と少女は続けた。
???「メア様には見えたんです。助けて、くれました。」
自分「はぁ、そうなのか。」
???「な!興味無さそうですね?」
自分「そりゃあ興味ないな。」
メア、誰もが知る人物だが興味なんてわかない
???「仕方ありません、教えてあげます。」
???「メア様はヒーローです。」
???「私が襲われているのを助けてくれました。」
???「だから、私は、ここにいるんです。」
……狂信者というやつか。
助けられたからここにいる。
認識して貰えない人は認識されるとついて行ってしまう。例え、それが犯罪でも。
自分「まぁ。メアについては少しは知ってるから教えられる必要はないな。」
???「そうですか。」
自分「ところで、お前の名前は?」
???「え、あっ、えっと」
???「心です。」
自分「そうか、僕は部屋に戻る。」
自分「風邪ひくなよ。」
ココロ「はい。」
心、隠密系の能力者か。
使えそうだな。
その日、僕は妃海に呼ばれていた。
自分「なんの用だ?」
ヒナミ「あぁ、お前に頼みがあってな?」
自分「面倒ごとは嫌だな。」
ヒナミ「学校の元生徒のお前だからこそだ。」
自分「ほう?」
元生徒、ということは学校関連か。
これは断れないな。
ヒナミ「学校に侵入して欲しい。」
自分「具体的には?」
ヒナミ「学校は怪しい。何か証拠を掴めればそれを種として手駒を増やせる。」
自分「なるほどな。わかった。」
学校の秘密をバラして反発者を増やすつもりか。
ヒナミ「で、メンバーについてなんだが。」
自分「ああ、待ってくれないか?」
ヒナミ「どうした?」
自分「人選についてだが、僕に考えがある。」
ヒナミ「考え?」
せっかくなんだ、あいつを使おう。
自分「少し、待っててくれ。」
自分「こいつだ。」
ココロ「なんで、私がここに呼ばれるんですかぁ。」
ヒナミ「そいつは?」
自分「心、隠密系の能力者だ。」
そういうと妃海が瞳を光らせる。
ヒナミ「ほう?」
自分「昨日、偶然話してな。使えそうじゃないか?」
ヒナミ「そうだな。だが、そいつは自衛できないだろう?」
自分「僕が守ればいい。最悪こいつさえ帰れれば情報は得られる。」
ヒナミ「分かった。そいつと2人でいけ。だが、無茶はするな?」
自分「分かってる。」
妃海との会話が終わると、
ココロ「あの、どういうことですか?」
青ざめた心が話しかけてきた。
自分「仕事だ。学校に潜り込む、お前も来い。」
ココロ「!!?」
心は驚く、それはそうか。昨日まで置物だったしな。
自分「さて、今日の夜出るぞ。」
そうして、僕は部屋を出るのだった。