この日、全てが変わった。
「手前が俺の妹か…確かに、髪色も目も同じだ。そりゃあこうなるな…」
あの日その言葉を聞いて、何故か私は安心していた…。
私の名前は西原朱莉。とある平凡な一家庭の娘だ。しかし、今共に住んでいるこの人達は家族ではなく、親戚らしい。気づいたら引き取られた。
ある友達は言った。
「朱莉も家族がいなくなっちゃったんでしょ?」
「う、うん…」
(家族って何?)
この人達を家族だなんて思ったことはない。
いつものように殴られて蹴られて。…いつしか痣の多い手を隠すように言われ、手をポケットに入れるのが普通になっていた。
「今日は朱莉の好きな野菜炒めよ」
「…有難う御座います」
私は野菜炒めが嫌いだ。分かっていてやっているのだろう。食べなければ餓死するので、仕方なく食べる。
「ご馳走様でした」
「じゃあ、おやすみなさい 」
「ええ、おやすみ」
今日は気分がいいらしく、特に何もされなかった。気分が悪いと殴ってくるのに…
まぁ…どうでもいい…
そう思い寝る準備をしていると、下から悲鳴が聞こえる。叔母夫婦の娘の物だ。
「え?」
生憎着替え中なので行けるはずもなく、次々に悲鳴が聞こえてくる。
「嗚呼…殺人鬼でも来たのかな?この地獄を終わらせるために…? 」
それこそ私の望んだ事だ。早く着替えてしまいたいが…包帯を巻かなければならない。
「面倒臭いなぁ…」
ガチャッ!!
そんなことを呟いていると扉が開く。
「お?」
「え?」
「嗚呼…手前が俺の妹か…確かに、髪色も目も同じだ。そりゃあこうなるな…」
「な、なんで私の名前…」
「というかその傷、誰にやられた?」
「こ、此れですか?」
「嗚呼」
「その…手に持ってる人ですけど…」
「な、なんで言うのよ!」
な、何でって本当じゃん…来た時から殴って
「…そうか」
バキッ…!!!
叔母は私を憎らしげに睨むと〇された。
「朱莉、手前は俺の妹だ。気づいているだろう?己に異能があることが…」
なんで…この人は、全てを知っているんだろう
「はい」
「手前は〜…」
それから私の兄という人…中也さんは私に全てを話すと
「俺と共にポートマフィアに来い」
「…はい」
もう、この家から出れるなら何でもいい…
どうなってもいい…私を愛してくれる人が入ればいい…もう、憎まれるのは疲れた。
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