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#狂愛
柏木さくら
3,581
臣桜
213
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高層階の部屋。 窓の外は、真っ青な海が広がる絶景だ。
窓際のベッドの上に座り、私はぼんやりと海を眺めていた。
陸斗はトランクを運び入れると、窓辺のテーブルの上にカードキーを置いた。
私が何気に目をやると、カードキーと重なり 朝食券が2枚見えた。
陸斗が無造作にその朝食券だけを抜き取り、ズボンのポケットに突っ込んだ。
「今夜は何食べたい?」
その後で、陸斗は何事もなかった様に尋ねる。
「あんまり食べれないと思う。お昼に沢山食べたから」
私は見なかった振りをして、素気なく返事した。
何で 朝食券、隠したの?…
「ここのレストラン、食事が美味いので有名なんだ」
陸斗は関係なく、私の機嫌をとり続ける。
「じゃあ、1人で食べてくれば?」
どうしよう… 私、今日はまったく可愛げがない。
「そんな淋しいこと言うなよ。あっ、さては まだ機嫌が直ってないな?」
陸斗は私の隣りに座ると、自分の方へ 私の肩を抱き寄せた。
「わかった。じゃあ この近くのコンビニで何か買って、今夜は簡単に済ませよう。…それでいい?」
そう言って、陸斗は私の髪を撫でた。
「…ねえ陸斗。 もしかして‥浮気してない?」
ついに言ってしまった。
陸斗の顔が、一瞬 引き攣った様に見えた。
コメント
1件
うわあ、この静かな緊張感、すごく好きです。朝食券が2枚あるのに、陸斗が無造作に1枚だけをポケットにしまう――あの一瞬の動作が、逆に不自然で逆に目立ってしまって。主人公が「見なかったふり」をしながらも、ついに口にしてしまう流れも自然で、胸が締め付けられました。陸斗の顔が引き攣るラスト、伏線の張り方が本当に巧いですね。次が気になります。