テラーノベル
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「君が、なぜ身内に関して濁していたかは 何となく解った。しかし なぜそうまでする必要がある? だがもっと深刻なのは、院内で君が起こしていた問題だ」
「どこに、そんな証拠があるのでしょうか」
気が動転しながらも、陸斗はできるだけ平静を装った。
「私が 書面で情報を見せたの。あなたがしたこと、全て知っていたから」
緑が覚悟を決めた口調で、陸斗に告げた。
陸斗は凍りついた目で、緑を見つめた。
『女は怖くてしたたかだ。いいか 陸斗、騙されるくらいなら、先に女を欺あざむくくらいの男になれ。 どうやって? …頂点に立つんだよ。誰も横槍よこやりを入れられないくらいの、完璧な男になるんだ』
父、光洋の言っていた言葉が 陸斗の頭の中で エコーの様になって響き渡る。
(負けるもんか!)
プライドが頭を擡もたげ、陸斗は完全に開き直った。
「デタラメを言うのも程々にして貰えるかな。もし その様なデータを写したとして、それがどこまで医学的に根拠のあることか 君は充分な知識があってやったの?
それとも…妻の座を奪い取りたくて 逆に改ざんしたものを仕立てるように企てた、とか?」
見下す様に薄ら笑いを浮かべ、陸斗が緑に向かって淡々と言った。
緑は頭に血が昇り、思わずソファから立ち上がった。
陸斗の頬を平手打ちしたくなる気持ちをぐっと堪え…
「クズ! あんた、本当に最低なクズ男ね。高学歴かなんか知らないけど、 人としては かなり低レベだよね」
目に涙を溜め、陸斗に向かって 緑は感情のままを口にした。
「私もクズかもしれないけど、今は過ちを認めて自分のやったこと、ちゃんと反省してる。あんたには 罪悪感とかないの? そんな最低な男に、一時でも 好意を持った自分が情けないわ!」
「はいはい、なんとでも言ってください。関係に関してなら 同意の上だと思ってるんで」
緑は刺す様な目で 陸斗を睨みつけた。
開き直ってはいるものの、陸斗の心の中は ズタボロになっていた。
「いい加減にせんか!」
勇次郎がソファから立ち上がった。
コメント
1件
うわっ、この第62話、めっちゃ緊張感やばいですね…!緑が「全て知ってた」って言い放った瞬間、ゾクッときました。陸斗の開き直り方も気持ち悪いほどリアルで、父親の言葉がフラッシュバックするところで彼の歪んだプライドが透けて見える感じがすごく良かった。でも緑の「クズ!」って叫びに、こっちまで胸が熱くなりました。勇次郎が立ち上がったところで次回が気になりすぎる…!
#狂愛
柏木さくら
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臣桜
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90