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ガサガサ…
「!」
バルコニーで涼んで居ると、微かに足音を感じた。
気配からして大人の男が3人と子供1人が居るだろう。
声が全く聞こえない。
そして子供から抵抗の意を感じる。
……恐らく人攫いだろう。
バルコニーの柵に足をかける。
周りは整備された庭と森がある。
気配は森の方から感じる。
森の方から何らかの方法で逃げるつもりなのだろうか。
高さは3階くらいなら大丈夫だな。
僕は身を投げ出し地面まで音、風ひとつ乱さず着地する。
近くにある長めの木の棒を拾って気配の方へ駆け出す。
少し走り出すとすぐに姿を捉える。
…やはり人攫いだった。
男3人は子供の男の子を抱えて歩いている。
攫われてる子供は僕と歳が近そうな感じだった。
上質な良い服を着ているため、身分の高い者だと分かる。
子供は紐で縛られているが必死に抗っているのが分かる。
僕は思い切り地面を踏み込んで、人攫いの1人の背後に回る。
ワンテンポ遅れて人攫いの男が気付き僕を捕まえようとする。が、遅い。
バンッと鈍い音がなり男が崩れ落ち気絶する。
次にもう1人が襲いかかってくる。
「このガキ!!」
はぁ、呆れる程に遅い。
弱すぎる、これでよく子供をさらえたよね。
左足を真上に勢いよく上げて男の顎を思い切り蹴り飛ばして気絶させる。
ドサッ
「あーあ、伸びちゃった。大人なのに弱いね、コイツら」
残りの男を見据えて笑う。
「お、おいガキ!」
そう言って子供を抱えて懐からナイフを取り出す。
「これ以上近づいたらタダじゃ…ヒッ!?」
「え?何ー?聞こえないなあ〜?」
男が言い終えるよりも先に木の棒を2つに折って、投げる。と、片方は子供を捕まえてる手に当て、もう片方は男のナイフに当て弾く。
キンッと金属の音がなり、ナイフが地面に刺さり、それを素早く拾う。
いきなり離れて倒れかけた子供を抱き留め、紐をナイフで切り、座らせる。
その後すぐに男に向き合い腹を蹴ると倒れる。
だが、すぐに起き上がろうとする。
へぇ、まだ動ける力があるんだね。どうでもいいけど。
僕はそれを見てすぐに男に詰め寄り首元にナイフを突きつける。
「お前らの負けだ、大人しく眠れ」
そう言って僕は、鋭く睨んで男の鳩尾(みぞおち)を殴った。