第二章『アメリカ編』
⚠️これはアメリカ視点です!
突然だが俺には好きな人がいる。
……誰かって?
それは“日帝”chanだよ。
元敵国だけどな。
俺はあの小さくも凛々しい姿、紅く美しい瞳、長いまつ毛…挙げたらキリがないな…笑
そんな日帝chanに惹かれたんだ。
だから俺は日帝chanにいつものように話しかける。
アメリカ「Hello‼︎日帝chan!」
日帝「静かにしろ」
こんなそっけない態度でも俺は十分嬉しかった。
一緒にいると落ち着くんだよな。
アメリカ「大好きだよ、日帝chan」
日帝「…冗談はやめろ」
いつも告白してはこんな返事が返ってくる。
いつかは意識してくれるといいな…。
でも大丈夫。
必ず正面で向き合って貰えるようにする。
時間がかかってもいいんだ。
それくらい“大切な人”なんだ。
いや、
『だった。』
日帝chanは目の前で死んだ。
急に上から落ちてきた。
突然目の前にきた何かを認識はすぐには出来なかった。
気づいた後にはもう頭から血を流している亡骸を見るしかなかった。
何で?
どうして死んだ?
自殺?
誰かが殺した?
目の前の光景を理解するには無理なものだった。
気づいた時は病院のベッドで寝ていた。
起き上がるとそこにはナチスがいる。
ナチスは混乱している俺にどこか切ない声で説明してくれた。
ナチス「……日帝が死ぬ前に俺は日帝と会ったんだ」
ナチス「日帝は何か思い病んでいたらしい。それで俺は日帝に困ったら相談してほしい、と声をかけたんだ」
ナチス「その矢先、日帝は突然逃げ出した」
ナチス「急に怯えたような顔をして逃げ出したものだから俺はすぐに追いかけた」
ナチス「だが日帝は足が速い。すぐになんて追いつけるものじゃなかった」
ナチス「幸運にも俺は目がいいんだ。だからどれだけ遠くに行っても日帝の姿は確認することはできた」
ナチス「日帝が建物の中に入ったところが見えた瞬間、嫌な予感がしたんだ」
ナチス「俺が入り口の前に着く頃に日帝は屋上から飛び降りた」
アメリカ「え……?」
唖然した俺にナチスは容赦なく話を進める。
ナチス「お前は丁度日帝の落下地点である一歩後ろにいた」
ナチス「俺が救急車を手配しながら急いでその場に駆け寄るとな、」
ふとこちらを振り向く。
ナチス「アメリカ、お前気を失っていたぞ」
アメリカ「まじかよ…」
ナチス「まぁ無理もないな…」
ここで俺は大事なことに気づく。
アメリカ「てか日帝chanはッ‥⁉︎」
ナチスは唇を噛み締め
ナチス「…死んだ」
アメリカ「は…?」
俺は現実を受け入れられなかった。
ナチス「頭部を酷く損傷していて病院に着く頃にはもう息は無かった」
ナチスが詳しく説明してくれているのに俺はそれすら聞く余裕なんてなかった。
俺はどうすればいいんだ?
ナチス「亡骸を見ることはできると聞いているが…見るか?」
絶望し泣くことすらできない俺に向かって優しく寂しい声で問いかけた。
そのまま霊安室へ行き、冷たくなった日帝を見た。
二度と目も開かない。
二度とあの声も聞けない。
もう心臓も動いてない。
今更日帝chanと一緒だった時の楽しい思い出が蘇る。
初めて日帝chanと会話した日、
日帝chanと一緒に昼食を食べれた日、
日帝chanと見る初めての桜。
俺は日帝chanがもうこの世にはいないことを自覚した。
そして失ってから初めて声を上げて泣いた。
コメント
2件
アメリカは本当に日帝さんが好きだったんですね。日帝さんが幸せになって欲しかった。悲し過ぎます。😭