続き
制服を脱ぎ捨て、ベットに倒れ込む。
皺になったってどうでもいい。
しばらくして誰かが帰ってきた音が聞こえる。
うるさい兄じゃありませんように。
俺の靴を見て部屋に向かってくる足音がどんどん近くなる。
急いで制服を片付ける気力もなく、ただ扉が開くのを待っていた。
紫)りいぬくんおかえり、早かったね
赤)うん、
紫)ころちゃんは?一緒だと思ってたんだけど、
赤)別の人と帰った、
紫)そっか、ぁ、りいぬくんお風呂入る?
今日疲れたでしょ?お風呂沸かしておくから
赤)…入る
俺はベットから降りて、ぐちゃぐちゃの制服を片付けて着替えを持って下に降りた
紫)りいぬくん入浴剤どれ入れたい?
箱に入っているカラフルな入浴剤があった。
俺は青色の入浴剤に手を伸ばした。
紫)ころちゃんの眼の色みたいだね
赤)うん、
紫)ころちゃんのこと好きだもんね
赤)へ、ちがっ、!
突然言われた言葉に顔が真っ赤になっていく。
クラスメイトに言われた時はなんとも無かったのに、ななにぃに言われると駄目みたいだ。
いや、これじゃあ本当にころちゃんのことが好きみたいになってしまう。
違う、好きなんかじゃない。
兄弟として、優しいから、好きなだけ。
恋愛感情なんて一切ない、はず
紫)あははっ、笑
顔真っ赤にしてかわいいなぁ、、
大丈夫!俺口堅いから!
なんて言葉信用出来るわけない。
でもななにぃなら大丈夫かと思う自分もいる。
赤)ぃや、好きじゃないし、!
そう言って軽くななにぃを押して、扉を閉めた。
こんな奴が好きになっちゃ駄目だから、
桃)たっだいまー
玄関にななにぃの靴とりいぬの靴があった。
他の兄弟はまだ帰ってきてないようだ、
それならチャンスは今しかない。
紫)あ、さとみくんおかえりー
桃)ななにぃただいま、りいぬは?
紫)りいぬくんならお風呂入ってるよー
桃)…なんかあったの?
紫)ぇ、いやー、なんでもないよー、あはは
ななにぃの様子が怪しい。
なんかずっとにこにこしてるし
まぁ、いいや。
桃)俺も入りたい
紫)はーい、りいぬくんあがってからね
なんて言葉を無視してりいぬの元へ行く。
ちょうど扉を開けた時、りいぬがお風呂からあがっていた
相変わらず細い身体、そして
桃)…なにその傷っ、
赤)さとっ、にぃ、、?!
腕には細い切り傷が何本もあった。
りいぬの言葉を無視して近づく
桃)大丈夫か、それ、痛そう…
赤)っ、ゃ、来ないでっ、!
りいぬの腕を掴む瞬間後ろから誰かの声が聞こえた。
その声は誰か分からないほど低く、冷たかった。
俺は恐る恐る後ろを振り向く
青)さとにぃ、なにやってんの
弟のころんだった。
いつものにこにこ笑っているかわいいころんでは無い。
俺に向けられている視線が冷たく、鋭い。
りいぬですら、恐怖で震えている。
青)さとにぃ邪魔。出てって
簡単に追い出されてしまい、扉はすぐに閉められた。
廊下で呆然と立ちすくんでいると、ななにぃがやってきた。
紫)さとみくん変態
桃)ちがっ、!
俺はただ、りいぬと仲良くなりたかっただけなのに。
その言葉は喉に詰まって口には出せなかった。
コメント
13件
またまた遅れちゃったけど今回も神作すぎます🥲❤️ ぶくしつです🙌🏻
なんかあやふやな感じが大好きすぎる>< めっちゃ遅れちゃったけど見れて嬉しいです
えええ、なんか切ない...🥲(