忘れもしない、ほんの数年前の話。
高校時代、軽いいじめに遭っていた私を救ってくれた人に、ある日の放課後体育館裏で告白されたのが全ての始まりでした。当時は夢見心地の毎日で、本当に地面に足がついているか不安になるほど浮ついていました。まあ、仕方ありませんよね、嘲笑の的で苦しい毎日から救ってくれたヒーロー的な存在でしたし、その上顔も声も良かったのですから。まさに恋は盲目、欠点など一つもないように思えました。
その思い込みが後々自分の首を締めるなんて、当時は知る由もありませんでした。
何度も会話も思い出も身体も重ねたのに。心から楽しんでいたのに。本当に本当に愛していたのに。きっとそれは私だけだったのでしょう。言わば一生交わることのない、一方通行の愛といったところでしょうか。
奴の目的はきっと私の外側だけ。内側なんて何も触れようともしない。
勝手に気持ちよくさせて、勝手に気持ちよくなって、あとは勝手に捨てていく。命の価値など無いに等しい。 それに加えて自分を悲劇の主人公に仕立て上げるために甘い甘い蜜までばら撒いていった。
きっと奴は私の内面に触れようともしなかったから、高校時代の弱気な私しか見えていないのでしょう。 ええ、勿論枯れるほど泣きはらしましたよ。
でも、高校時代と違ってそれで終わらせるような女じゃないの。
待っていてね、今向かうから。
コメント
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紹介で印象に残ってるキャラクターだ! ……刺したりしないよね??