翔太💙『ふふっそうだね…でも凄いよパリコレとか…カッコいい尊敬する』
雨音を打ち消すような軽快な笑い声がビル街に響いている。思ってもいなかった人物と楽しそうに歩く愛おしい翔太を見れば沸々と湧き上がるのは嫉妬心だけだった。可愛い弟分のコイツを不用意にも近付けてしまった事を後悔した・・・
ラウ🤍『しょっぴーもう少し早く歩いて!凄い雨だよ』
翔太💙『お前が早すぎるんだよ!…あれっ?』
蓮 side
蓮 🖤『やぁ随分と楽しそうだね』
翔太💙『蓮?』
大の大人が二人で相合傘。ガサガサ音を立てるスーパーの袋は耳障りでしかない。イヤらしく腰に置かれた腕…そこは俺の場所だよラウール。
蓮 🖤『すまないね皆んなの弟ラウール君。無事に翔太君を送り届けてくれてありがとう。ここからは俺が変わるよ』
無理やり取り上げられたスーパーの袋を取り返そうと空を掴んだラウールの右手が寂しく宙を舞う。同時に掴んだ翔太くんの手首を引きながら、いつもの置き場所、右後ろのポッケの中の部屋の鍵を翔太くんから奪い取ると差し込んでエントランスを抜ける。
翔太は〝ごめんラウまたね〟と小さく手を振ると真面目な顔になり低い声で抗議する〝お前失礼だろ💢〟開かれたエレベーターに乗るなり壁際に追いやった。
蓮 🖤『どういうつもり?』
翔太💙『なっ何?ンンンンッ!離してぇ…』
ドクドクとした黒いものに一度覆われると止められないんだよ?
阿部ちゃんの居ぬ間に訪れればこの調子だ。己のガードが低い事に全く気付いていないし、誰彼受け入れるこの男は本当にどうしようもない。
唇を重ね甘い吐息を漏らした翔太は、長い抱擁に肩を上下させて呼吸をすると、塞がれた口の隙間に次第に遠のく意識を保とうと必死に懇願するように俺のシャツを掴んで小さな声で助けを求めた…
翔太💙『蓮…』
蓮 🖤『残念ながら助けてあげられそうにない。沈みな翔太』
ズルズルと力なく下へ下がる翔太くんの腰を掴んで支えると開いた扉から愛の巣へと侵入する。寝室へと運ぶと、どうやらワンラウンドヤッたみたいだ。
ガサガサうるさい袋を覗き見ると…ハンバーグを、作る予定だったらしい。幸せそうに眠る翔太くんの頰を撫でるとくすぐったそうに首を背けた。こんな時でも可愛いのは反則だ。
グループ共有で二人が白川郷に宿泊する旨伝えられたのは18時を回ってからのことだ。恐らく急遽決まった事だろうと思う。
仕事終わりに、鳴らしたインターホン。愛する人の不在を告げる沈黙が永遠に感じられた。久々に開いたアプリに翔太くんの帰宅がそろそろである事が分かると、雨の降る軒先に出て彼を待った。
愛する人を待つ時間は焦ったく一分一秒が長く感じられるが、同時にワクワクするこの時間は俺は好きだったりもする。
〝俺のワクワク返せよ〟踵を返してリビングのソファーに下ろすと、翔太くんが大事そうに抱える紙袋をテーブルに置いた。
翔太💙『んっ…蓮』
蓮 🖤『寝室のシーツ新しいのに変えておいで。話はそれからだよ』
俺に説教する権利なんてないだろう。彼氏でも何でもない…頰を赤らめて慌てて寝室へと駆けて言った。まさか阿部ちゃんの居ぬ間に堂々と浮気するなんて…
寝室からバツが悪そうに顔を出した翔太くんは、俺を避けるように距離をとっている。
蓮 🖤『おいで、一緒にハンバーグ作ろうか』
翔太💙『お風呂入って来ていい?あの…お腹痛くって…』
はぁ…必死で感情を抑えようとしているのに、優しくしなきゃと落ち着かせた自身の胸がまたザワザワと音を立てる。気が付いたら手首を掴んでお風呂場に立たせると服の上からシャワーを掛けていた。
バタバタと暴れる翔太くんを冷ややかな軽蔑の目で見つめている。
蓮 🖤『自分が何したか分かってるの?ほら股広げて、俺が洗ってあげるよ隅々まで淫乱翔太』
翔太💙『違う!無理やりされて…それで』
蓮 🖤『フハッ…無理やりされて?仲良くお買い物?』
ズボンごと下着を剥いで後孔に指をぶち込んだ。シャワーを当て、ラウールの欲を掻き出して行く〝すぐに洗わないからお腹痛くなるんだよ〟時間が経ちすぎてる…
翔太💙『ンンンンッもうイイからやめて//あっあんやらぁ』
蓮 🖤『また感じてるの?ラウールとも気持ちよかった?二人いつからそういう関係?』
〝違う!〟易々と指を咥えて誰にでも感じて〝翔太くんにはガッカリだよ〟指を引き抜きお風呂場を後にすると啜り泣く翔太くんの声が聞こえた。
キッチンでハンバーグを作る下拵え中の俺。目を真っ赤にしてパンイチ姿で現れた翔太くんはテーブルに置かれた紙袋を自身の部屋に持って行った。
翔太 side
どうすれば良かったって言うんだろうか。スマホを何度覗いても亮平からの連絡は来なかった。お揃いのボールペンはクローゼットにしまい、交換ノートとペンは机の引き出しにしまった。ラウールからは、今度の旅スノの時までにノートを書いてくるようにメッセージが入っていた。
〝コン、コン、コン〟
蓮 🖤『翔太…ごめん酷い事言った』
翔太💙『どうして蓮が謝るの?本当の事だよ…家に誰も入れるなって亮平からあんなに言われたのに…』
蓮 🖤『ふふっ俺も入れちゃってるね』
翔太💙『ほらねダメダメだ』
一枚扉を隔てた向こう側で、困惑そうな顔を浮かべ下を俯き話しかける蓮の姿が容易に想像できた。扉を背もたれにして、膝を抱えて腰を下ろした〝俺は一人の方がいいのかもしれない…約束一つ守れない〟蓮は答えなかった。静かに俺の話を聞いている。
翔太💙『亮平と佐久間の事が気になって、凄く不安で一人で居たくなかったんだ。ラウールと一緒に買い物したら気が紛れたし、楽しかった。今だって蓮に甘えたいと思う自分がいる。俺って最低でしょ』
背中にグッと圧を感じた次の瞬間勢いよく背中が押されると扉が開いたと同時に俺の身体は前のめりに倒れると顔が床に叩き付けられた。
翔太💙『んっ痛っ!』
蓮 🖤『ああっごめんごめん//ふふっ鼻真っ赤だよ?』
軽々と持ち上げられた身体は、ベットの上にちょこんと乗せられた。しゃがんだ蓮はベット脇に小さくなると、俺を上目遣いで見つめ手を取って優しく微笑んだ。
蓮 🖤『甘えたいって思ったのは俺だからって思ってもいいのかな?』
〝分からない〟 抱きしめられた腕に甘えてしまう。温もりが心音が、心を落ち着かせる。いつの間に伸びてきた蓮の腕は俺の身体を包んだ。片方の手が頭を撫でていて、溢れ落ちる涙を止めようと必死だった。
翔太💙『うぅっ…この腕も振り払った方がいいの?俺は…お前突き飛ばした方がいい?俺はどうしたらいいの教えろよ蓮!』
〝悪かったよ〟謝って欲しいんじゃない。答えが知りたいんだ。振り払うどころか蓮の腕にしがみ付きバランスを崩した蓮を、押し倒す形になり胸の上に頭を乗せると再びギュッと抱きしめてくれる。
翔太💙『亮平が居ないのが不安で…帰ってくるよね?何にも連絡なくて…』
蓮は少し言いづらそうに頭をポンポンと優しく叩くと宥めるように肩を擦った〝残念だけどお泊まりみたい〟そう言ってスマホを見せた。亮平のいる街に降らせた雲が東京の空に雨を降らせている。激しさを増す雨のように涙が溢れて止まらない。
蓮 🖤『あの二人に限って間違いは起きないよ。信じて待ちなさい』
〝じゃぁお前も…俺に手出すなよ〟墓穴掘ったわぁ〜とクスクス笑う蓮の上で俺の身体が跳ねた。
翔太💙『ありがとう…元気出た!よしハンバーグ作るぞ。食ったら帰れ』
〝ひど〜い〟なんて言いながらクスクス笑ってる。付き合っていた頃二人でキッチンに立つなんてことなかったな。もっといっぱい話したり、お互いの為に出来る事は沢山あった筈なのに、嫉妬したり我儘言ったり、随分と子供だった。
玉葱をみじん切りにした蓮が目から涙を流すと、貴重な蓮の涙を写真に収めた。蓮は凄く嫌がったけど・・・炒めた玉葱を挽肉と合わせて今度は俺が捏ねる。
翔太💙『待って、エプロン持ってくる』
ペンギンのワッペン入りエプロン姿の俺を今度は蓮が写真に収めた。手で捏ねると、後ろから卵にパン粉に塩胡椒と手際よく蓮が入れてくる〝まだ?もういい?〟後ろから伸びて来た蓮の手が俺の手と重なって二人で捏ねる・・・捏ねずらい…
蓮も同じように思ったのだろう白い歯を剥き出しにして笑顔を作ると〝思ったよりロマンチックじゃなかった〟なんて言って二人でお腹を抱えて笑った。エプロン付けてて良かった。
蓮の手捌きを見様見真似で試してみる。俺は手が小さいから小ぶりのハンバーグになった。
翔太💙『お前のデカいな…』
相当に恨めしそうに見てたのだろうか、食事の時に蓮が何も言わずに交換してくれてた。二人で作ったハンバーグは今まで食べたどのハンバーグよりも美味しかった。
蓮 🖤『泣く程美味しいの?どうした翔太?』
翔太💙『泣く程美味しいの!』
亮平に食べさせたい。〝ねぇ美味しい?〟って聞きたい。〝亮平の方が大きい!〟って言って交換こしたい・・・
翔太💙『まだ何の連絡もくれないのどうして!佐久間とイチャイチャしてる?俺に言えない事してるかも…帰ってこなかったらどうしよう…もう俺捨てられちゃったぁあぁあ゛』
蓮 🖤『いやいや翔太くん情緒大丈夫?きっとバタバタしてるんだよ?それに部屋は流石に別々だろうし、何も起こり得ないよ?たぶん…』
〝多分?絶対って言えよバカ蓮〟グーパンチをお見舞いしてやったら、そんだけ元気があるなら大丈夫だねなんて言われてまた泣いて・・・笑った。
結局蓮は、明日ケーキ作りの練習しようと言って鞄の中から下着とパジャマを取り出すとお風呂借りるねと言って脱衣場に消えていった。最初から泊まる気じゃないか!
蓮 🖤『あっ忘れ物』
上裸で現れた蓮は、そう言って俺をヒョイっと持ち上げると脱衣場の棚の上に俺を置いた〝抵抗しないの?〟突然のことで反応が遅れただけだ。
翔太💙『蓮さんこれはダメです。一緒には入れません』
蓮 🖤『ヤダァお風呂で何もしないよ?一緒に入るだけ…ねっいいでしょ?』
俺の答えなど待たずに前から伸びてきた腕がエプロンの紐を解いた。何もしないと言いながら、唇に触れた蓮の指が優しくなぞると、唇が重なって下へと降りた指は胸の突起に触れた。
翔太💙『ンッ…何もしないって言ったでしよ』
蓮 🖤『お風呂ではね…ほらまた騙された//大丈夫だよ翔太は悪くない…そのまま騙されてればいい』
シャツが床に落ち、唇を激しく貪られる。口内に侵入した蓮の舌が歯列をなぞり俺の舌を追いかけて抱き合わせると水音を響かせた。大きな鏡が二人の上気した熱で結露すると、横にされ下着を剥いだ。ゴツゴツと痛くて冷たい床の上は寝心地が悪かった。
蓮 🖤『ベット行く?それとも…』
〝ここでいい…優しくしないで。そしたら自分に言い訳できるでしょ〟散々酷い抱き方してきた癖に、蓮は優しく俺を抱いた。寝室から持ってきた枕を背もたれにすると、甘い愛の言葉を囁き全身に沢山のキスを降らせると、優しく花茎に触れた。
翔太💙『待って!やっぱりダメだ…亮平が嫌がる事はしたら…ンンンッやめて…』
蓮 🖤『遅いよ?わかってるでしょ大人なんだからもう止められない。それとも言い訳のためのパフォーマンス?イイよ付き合ってあげる。痛かったらごめんね』
蓮はズボンを脱ぐと自身の熱塊を数回扱いて解すことなく、後孔に当てがい隘路に侵入すると顔を歪ませた俺の頰を撫でた〝大丈夫?〟
翔太💙『結局優しいのやめろよ…痛い…心も身体も痛いよ…』
これじゃ蓮と付き合ってた頃より酷いじゃないか。亮平を信じることもできず、傍に居ない事も耐えられない。嫌われたくなくて連絡すら出来ないで、他の誰かに甘えてる。亮平の居ない寂しい穴を蓮に埋めてもらうだなんて都合が良すぎるだろ。俺に亮平を好きになる資格があるだろうか。
翔太💙『ごめん蓮…酷いね俺こんな奴好きになる価値ないよ』
蓮 🖤『今日どうしちゃった?いつもみたいに元気に暴れて抵抗しなよ?』
〝会いたいよ…亮平に〟
蓮は本当に酷い奴だって言って腰を引き抜くと優しく抱きしめ体を起こして背中を摩った。
お風呂場に向かい、男の逞しい手で荒々しく俺を洗うと、バスタオルに包んで抱え俺の寝室のベットに横にして、パジャマに着替えさせた。前髪を上げてそっとおでこにキスすると〝酷い奴でも大好きだよ…また明日〟そう言って帰って行った。
翔太💙『何で優しくするんだよ…』
雨の残る東京深夜二時〝ポロン♪〟と通知を知らせる音が鳴り一人枕を濡らす夜に〝連絡遅くなりました。明日の夕方帰ります〟と亮平から連絡が入った。蓮の言う通り相当に忙しかったんだろう素っ気ない業務連絡から、そう思うことにした。
単純なもので、亮平からの連絡に胸は高鳴り、 冷たい文字列も踊って見えた。気が楽になると自分の枕を抱えて二人の寝室に移動しベットに横になった。亮平の匂いにまた胸が少し高鳴った。窓に打ち付ける雨がパチパチと音を立てている。静まり返った二人の寝室に響く雨音は寂しさを紛らわせるのに丁度いい。東京に降らせた雨は秋を通り越して冬の寒気に襲われた。一人で眠るには広すぎるベットは人肌なしには寒すぎた。
翔太💙『あっ冬物の寝具買いに行かなきゃ…ふふっ何色にしよう///』
冬の気配漂う夜籠りの俺。亮平との冬支度を想像し心が温かくなるのを感じると、薄手の毛布に蹲り瞳を閉じた・・・
コメント
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とっても悲しい。 花凛さんはここからアゲてくの上手だから、きっとまた泣かされるんだろうなあ、、、🥲

可愛い大好き💙 どうしようもなくても、可愛いから好き💙 二人とも幸せになって💚💙