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女装男子は恋したい6
夜の帰り道。
手、繋いだまま。
柔太朗がぽつり。
「……今日、帰りたくない」
小さい声。
勇斗が足を止める。
「うち来る?」
さらっと。
でも声は少しだけ低い。
数秒迷ってから頷く。
「うん」
⸻
勇斗の家。
玄関の灯りがあったかい。
靴を脱ぐ音がやけに響く。
なんとなく、いつもより静か。
「適当でいいから座って」
勇斗がキッチンに向かう。
ソファに腰を下ろす。
ここが、
もし“いつかの家”になったら——
そんな想像がよぎる。
勇斗が温かい飲み物を持って戻る。
「はい」
自然。
日常みたい。
指が触れる。
少しだけ長い。
勇斗が隣に座る。
距離、近い。
でも静か。
テレビはつけない。
ただ、同じ空間。
「ここで暮らすって、どんな感じなんだろ」
勇斗、少し考える。
「朝、俺が先に起きて」
「絶対嘘」
即ツッコミ。
笑いがこぼれる。
緊張が溶ける。
でも次の瞬間。
勇斗が少し真面目な顔。
「今日さ」
「うん?」
「将来の話、軽く言ったわけじゃない」
まっすぐ。
逃げない目。
胸がきゅっとなる。
「……俺、怖いよ」
正直。
「好きが大きくなるの」
勇斗は少しだけ距離を詰める。
触れるか触れないかの距離。
「俺も」
低い声。
「でも、逃げないって決めた」
静か。
部屋の灯りが柔らかい。
少しだけ身体を預ける。
勇斗が自然に受け止める。
強く抱きしめるわけじゃない。
でも、ちゃんと包む。
鼓動が近い。
「今日はここで寝る?」
勇斗が聞く。
声は落ち着いてる。
選択は俺にある。
少しだけ笑う。
「……隣なら」
小さく。
でもはっきり。
その夜。
同じソファで寄り添う。
特別なことはしない。
ただ、未来の話を少しずつ。
間取りの理想。
料理できる方。
洗濯はどっち。
くだらない話。
でもそれが妙にリアル。
未来はまだ先。
でも。
少しだけ、形になった夜
朝。
カーテンの隙間から、やわらかい光。
静か。
一瞬、どこにいるか分からない。
でも。
隣のぬくもりで思い出す。
……勇斗の家。
ゆっくり目を開ける。
距離、近い。
ソファで横向き。
勇斗の腕が、自然に自分の肩にかかってる。
強くない。
でも、離れない位置。
寝顔、近い。
黒髪が朝日に透けてる。
呼吸、穏やか。
胸がじんわりあたたかくなる。
昨日の夜の会話。
“いつか一緒に住む?”
あれ、夢じゃなかった。
そっと指先を伸ばす。
髪の毛に触れる。
ふわっと。
その瞬間。
勇斗の眉が少し動く。
ゆっくり目が開く。
寝起きで少しぼんやり。
目が合う。
数秒、無言。
それから。
「……おはよ」
低くて掠れた声。
反則。
少し笑う。
「おはよ」
勇斗、状況を思い出す。
一瞬だけ照れた顔。
でも腕は離さない。
むしろ、少しだけ引き寄せる。
「ちゃんといる」
確認みたいに言う。
小さく頷く。
「いるよ」
朝の静けさ。
テレビもつけない。
スマホも見ない。
ただ、隣。
勇斗がぼそっと言う。
「同棲したら、毎朝これ?」
「寝起き顔、慣れるまで時間かかるよ?」
勇斗、笑う。
「もう慣れてる」
さらっと。
ずるい。
少しだけ顔を隠す。
でも。
今度は自分から。
ほんの少しだけ近づく。
額が軽く触れる距離。
朝の、軽いキス。
一瞬。
でもあたたかい。
勇斗が目を細める。
「……やば」
寝起きで語彙が弱い。
くすっと笑う。
「何が」
「幸せすぎる」
ストレート。
外はもう完全に朝。
でも二人の時間は、まだゆっくり流れてる。
これで1回終わりたいと思います!!!!
また番外編など出しますー!
リスエストあればコメントしてくださいー!