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こはるさん、第2話読みました! ソニアの「話せない」もどかしさが胸に刺さりますね…。家族にすら本当のことを言えず、一人で決断していく五歳の強さと脆さ。お母さんが「力になれなくてごめんね」と泣く場面、お父さんに初めて食ってかかる場面、どちらもソニアの孤独がじわっと伝わってきました。「毒は喰わばら皿まで」の台詞がもうね、切なすぎます。続きが気になります…!
家族との決別と旅の始まり
第一話
「アンナ。ソニア。ご飯よ」
そう言われたけど、私は行く気になれなかった。
私の家族は、アンナの事ばかり優先する。多分、私が我慢出来るから。
二人とも、楽な方へ、楽な方へって、嫌になっちゃう……
それも、私が妹のはずなのに……
それを自覚してない親も親だけど、抗うのを諦めた私も私だ。
仕方無く行くと「野菜、キライっ!」とってアンナが木製のお皿を机から放り投げた。
机の上に並べられたご飯を見ても、食欲は出なかった。
丁寧に椅子から降りて「ごめん。お腹、空いてない」と言って部屋に戻った。
数刻後。
私が変なのに気づいてお母さんが部屋にきた。
「どうしたの? 何だか元気が無いけど」
元気が無いって……《《呪いの子》》になったのだから、元気はないでしょう。
それも、誰にも言えないし、誰にも知られてはいけない。墓場まで持ってく話か。
「お母さん。私が……」
でもそこで言葉に詰まってしまった。
こんな所で、《《追放》》されるなんて、飢え死ぬだけ。
一人で凍えて、苦しんで、お腹が空いて、山奥で孤独死……
孤独死なんて、こんな事に使うような言葉では無いんだろうけど、それ以外見つからない。
「ごめんなさい。今は、話せない……」
「そう……力になれなくてごめんね。過酷な事なの?」
私は無言で頷いた。
「……私は、ここにいたら、いずれ、皆の迷惑になるだけの存在になるから……この国から出る」
「それって、何か犯罪をしたの?」
私は俯きながら無言で首を縦に振った。
私は、泣かないように、悟られないように、未来がなるべく生きられるように、恨まれないように、ひっそりと暮らすしか無いと悟った。
だって、呪いの子って、有名な童話の一つに出てくる、呪われた子の事を指すんだよね……
私は、そう思われるしか無い。
しかも、これは厳密に言ったら犯罪。魔力が無いなんて、散策魔法だっけ? 何か魔力を探る魔法が効かなくなるから、犯罪らしい。
外国だったら犯罪じゃないらしいけど。
私に残された選択肢は、外国に行くしか残されていない。
例え、魔力が戻ってきても、呪いがかかっているのには変わりがないから。
本屋に行って、少しだけ読ませてもらった。
でも、一人で行けるのかな……それに、五歳っていう体では、体力的にも無理だろうし……
お母さんも私を傷付けないように、庇うように言葉を選びながら「……それは、やろうと思ってやったの?」と口を開いた。
「……うぅん。不本意」
私を抱き寄せて「私が力になれる事はある?」とお母さんが涙ながら言った。
ごめんなさい。話せない以上、心の支えになってとか、無理だし、本当の七歳のアンナを巻き込む訳にはいかないから。
「私を外国に送る準備をしてほしい。ごめんなさい。何も話さずに出ていくなんて、酷い娘だったよね……」
「私こそ、母親として何も出来なかった。ソニアっ……ごめんね」
お母さん。何で、私に罪悪感を負わせるの? 別に不本意な事は分かる。
でも、一番痛い所なんだよ……
「うぅん。お母さんは何も悪くないよ。私は……拭いきれない罪が出来ちゃったの」
私は月明かりの中、作り笑顔をお母さんに向けた。
次の日の夕暮れ時。
お父さんが帰ってきてから、机を挟んで向き合った。
「私は、このまま家にいる事は出来ないの」
強張った顔をひしめて「なぜだ? 犯罪でもしたのなら早く白状した方が良いぞ」と圧をかけられた。
私は唇を噛みながら「それが出来ないから、困ってるんでしょう……娘を助けると思って、何か手伝って欲しい。私は、頭が働かないの」と俯いた。
この先、何が起きるの? 怖いよ。苦しいよ。こんな人生は嫌だよ……
「話す方が楽になれると思うが……」とお父さんが言いかけた所でカチンときた。
「お父さん。今は、楽でも、将来が思いやられるしか無い。そうは、考えられなかったの? 私だって、楽に……」
そこまで言った所で我に帰った。
多分、私はお父さんの事を睨見つけていただろう。そんな事した事無いから、自分でも驚いている。
お父さんもお母さんも唖然として、言葉を失っていた。
……こんな、生意気な娘に説教なんてね……自分でも笑えちゃう。
「わ、分かった。外国に行けるようにすればいいんだろ?」
私は無言で頷いた。
このまま、また口を開けば、口が過ぎてしまう気がしたから。
「ソニア。考え直さない? だって、他にも道はあるんじゃない?」
ひた隠すことはできたとしても、嘘はいつかバレる。
「……毒は喰わばら皿まで。そうでしょう?」
お母さんもお父さんも疑問符が頭の上に浮かんでいる。
「分からないままで良いよ。最低な娘でごめんなさい」
そう言って私は部屋に戻った。