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#普通
野々さくら
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ありあ
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焔垂は腕を組みながら信愛へ尋ねた。
「本当に何も感じないのか?」
信愛は困ったように息をつく。
「そうなんだよね・・・」
さくらが不安そうな表情を浮かべる。
「なら霊の仕業じゃないって事?」
信愛はゆっくりと頷いた。
「そうかもしれない」
その言葉に茜は顔をしかめた。
「待ってよ・・それだと逆に怖いんだけど」
焔垂も神妙な顔で呟く。
「確かにそうだよな、人間の仕業だったら
ストーカーって事になるもんな・・・」
信愛が頭を悩ます、その時だった。
突然、窓の外から耳をつんざくような爆音が響き渡る。
ズンズンと重低音が部屋の空気を震わせ、窓ガラスまでもが微かに揺れた。
「うるさっ!な、何!?」
信愛は驚いて窓へ駆け寄り、勢いよく開け放つ。
視線の先には、爆音でEDMを鳴らしながら走り去っていくワゴン車の姿があった。
「ああ、車か・・・」
茜は呆れたようにため息をつく。
「ああ言うのって何が楽しいんだろ?」
さくらも苦笑する。
「ほんとそれ・・近所迷惑なだけだし
てか、あれ絶対に周りの音聞こえてないよね?」
「確かにね」
信愛も苦笑しながら頷いた。
そのまま窓を閉めようとした、その瞬間だった。
ふと、視界の端に違和感が映る。
「ん?」信愛は動きを止めた。
道路の向こう側。
一本の電柱の脇に、一人の女性が立っていた。
年増のその女性は微動だにせず、ただじっとこちらを見つめている。
いや、正確には、この家の二階。
朝陽の部屋を見つめているようだった。
(な、なに?あの人?)
女性は身じろぎ一つせず、その視線だけを部屋へ向け続けている。
(もしかして、この部屋を見てる?な、なんで?)
「ん?どうかしたか?」
焔垂の声に、信愛は我に返った。
「あ、いや、外に──」
そう言いかけた時だった。
女性と信愛の目が合う。
一瞬だった。
女性はハッとしたように表情を変えると、踵を返し、その場から逃げるように走り去っていく。
「!!!!!!!」
信愛は思わず声にならない驚きを漏らした。
「あ、待って!」
そう叫ぶと、部屋を飛び出して廊下へ駆け出す。
「ちょ! 信愛?」
背後でさくらの声が聞こえたが、信愛は振り返らなかった。
階段を一気に駆け下り、家を飛び出す。
肩で息をしながら辺りを見回すが、もうそこに女性の姿はなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
信愛は道路を見渡し、小さく呟く。
「さっきの人は?」
しかし、住宅街は静まり返っている。
「もう居ない・・・」
女性はまるで最初から存在しなかったかのように姿を消していた。
「誰だったの? あの人・・・」
遅れて追いついたさくらが心配そうに声を掛ける。
「ちょっと?信愛!いきなりどうしちゃったの?」
茜も息を切らしながら続ける。
「そうだよ!いきなり部屋飛び出してさ!」
信愛はまだ女性が消えた方向を見つめたまま答えた。
「さっき、浦添くんの部屋を
見つめてる女の人が居たの・・・」
「え!?」
焔垂が目を丸くする。
茜も息を呑んだ。
「それって・・・」
さくらが恐る恐る口にする。
「まさかストーカーって事!?」
信愛はゆっくり首を横に振った。
「分からない・・・」
少し間を置き、女性の姿を思い返すように目を細める。
「パッと見、40代くらいの女の人だった」
信愛の説明を聞き終えたさくらは、目を丸くした。
「はぁ?朝陽くんって熟女から
ストーカーされてんの!?」
「まぢでか!!」
茜まで驚きの声を上げる。
信愛は二人を制するように手を軽く上げた。
「もう、二人とも!
一旦ストーカーから離れて」
焔垂は顎に手を当て、静かに口を開く。
「そのおばさんが霊の可能性も
あるって言いたいのか?」
信愛は真剣な表情で頷いた。
「その可能性はゼロじゃないと思う」
さくらは少し考え込み、小さく息を吐く。
「あ、そっか・・・」
茜も納得したように頷いた。
「確かにそうだよね」
住宅街には再び静けさが戻っていた。
さっきまでそこに立っていた女性の姿はどこにもなく、風が木々を揺らす音だけが聞こえている。
信愛は辺りをもう一度見回したあと、皆へ視線を向けた。
「とりあえず部屋に戻ろう」
コメント
1件
**はる。からの感想** おおっと、今回のエピソードどんどん不気味になってきたな…!ストーカーかと思ったら霊の可能性も出てきて、正体不明の女性が朝陽の部屋をじっと見つめてたってのがめっちゃ怖いわ。信愛と目が合った瞬間に逃げるように消えた描写、ゾクッとした。40代女性ってところもミステリアスで、浦添くんに何か因縁ありそうだよな。次回が気になる展開すぎる🔥