「こ、この小説なかなか興味深いな…」
僕は来栖病。
くるす やまい
いつものように“ホルン67”という作家のネット小説を読んでいた。
「あ…さ、最終話…」
「へぇ…だ、脱出ゲームになるんだ…」
「お、面白そう……」
「……うん、読み終わった…」
「おやすみなさい……」
僕は次の展開を楽しみにしながら眠りについた。
「う、うーん…」
途端、声に違和感を感じた。
驚いて目を覚ますと、そこは見覚えのない部屋だった。
「…ここは…」
ピロン
音が鳴った。
その方向を見ると、机の上にタブレットが置いてあった。
「な、なんだろう…これ…」
タブレットを開いてみた。
今から皆さんには人狼ゲームをしてもらいます。
詳しいルール説明は後に行うので、八時になったら部屋の鍵を開け、地図をそれぞれのスマホに送るのでその場所へ行ってください。
鍵はこちらで操作するので、自力では開けられません。
「人狼ゲーム…」
「あれ?この展開どこかで…」
そう、その状況は僕が読んでいた小説のプロローグそのものだった。
「ど、どこかに情報があるはず…」
部屋を探してみると、タブレット端末に、『狂月悠斗様』と書いてあった。
「く、狂月悠斗…」
「ということは僕は…あの作品の悠斗になってるって…こと…?」
そんなことを考えていたら、音が鳴った。
ガチャ
「ひえっ……!」
鍵が開いた音だった。
「な、なんだ…鍵か…」
「よし、で、出よう……」
地図の場所へ向かうと、教室みたいなところに出た。
(本当にあの小説そのものなんだな…)
「教室…?」
すると、既に先客がいたようで、感想を呟いていた。
(口調は作品の悠斗さんに合わせた方がいいよね…)
「お、お前は…」
すると、先客の少女はこちらを振り向いて言った。
「……誰?」
すると、続けて別の少女が声をかけた。
「あれ?悠兄と悠姉じゃん」
「……?」
悠姉と呼ばれた少女は首を傾げた
(あ、そうだ…)
(主人公の狂月悠羅は双子でさらに年子の妹がいた…)
(だからこの3人は知り合いのはずなんだ……)
(でも、どうして悠羅さんはこちらを知らない様子だったんだろう……)
「あれ?悠斗くん?」
すると、新たに来た少女に声をかけられた。
「あ……」
僕は名前が分からず曖昧な返事を返す。
「紗友!!」
「柚希!?」
その後もどんどんと人は集まり、合計16人になった。
コメント
12件
(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク これ…何か誰も信用できないw←
ついさっきオンライン学活終わって ちょうどこの通知来たw まさか全員中身は違う人……?( 続き楽しみです!!!