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その夕方、二人は丘の上でしばらく静かに夕日を見つめていた。何も話さなくても、心が通じ合っているような、そんな穏やかな時間が流れていた。
セーニャは、先ほど自分がしたことを思い返して顔が少し赤くなっていた。「イレブンくん、あの…あまり驚かせてしまってごめんなさい。」
イレブンは優しい笑顔で首を振った。「ううん、大丈夫だよ。セーニャちゃんが…こうして気持ちを伝えてくれたことがすごく嬉しいんだ。」
その言葉に安心したセーニャは、そっと肩をすぼめてはにかんだ。「よかったです…イレブンくんに嫌われたらどうしようかと、少しだけ心配で。」
イレブンは笑いながらセーニャの肩にそっと手を置き、真剣なまなざしで言った。「セーニャちゃんを嫌うなんて、絶対にありえないよ。君が僕にとってどれだけ大切か、君にちゃんと伝わっていればいいな。」
セーニャはその言葉に深く感動し、ほんの少し潤んだ目でイレブンを見つめ返した。「イレブンくん…ありがとう。」
そのまま二人は、すぐ隣で寄り添いながら、ゆっくりと沈んでいく夕日を見守っていた。丘の上には静寂が広がり、鳥のさえずりと風の音だけが聞こえる。静かな時間の中で、二人の間には小さな秘密ができたことを感じていた。
その秘密は、二人だけの想い出として、心に深く刻まれていった。