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「ん〜……また照がくっついてくる……」
ベッドの上、半分寝ぼけながらぼやいた。
後ろからぎゅっと抱きしめてくる照の腕は、いつものことながら強すぎる。
まるで絶対に離さないと言わんばかりに、身体をしっかりと包み込んでいる。
「だって、佐久間あったかいし、いい匂いするし……落ち着く」
低い声が耳元に響いて、ゾクッとした。
「それは嬉しいけどさ……もうちょっと緩めてくれない?」
「やだ」
きっぱりとした返事。
照の腕の力は緩まるどころか、むしろ強くなった。
「うわ、めっちゃ力入った……!」
「佐久間がすぐ動こうとするから」
「いや、動かないとさ……苦しいんだよ……!」
照はクスクスと笑いながら、俺の髪に鼻を埋める。
すぅっと息を吸い込んで、満足げに吐き出した。
「ほんと、いい匂い……安心する」
「……それ、俺のシャンプーの匂いじゃね?」
「違う、お前の匂い」
そんなことを真面目な顔で言われるから、ドキッとしてしまう。
普段はこんなにスキンシップが多いのに、不意打ちみたいに甘い言葉を落としてくる照に、何度やられたかわからない。
「……そろそろ寝返り打ちたいんですけど」
「ダメ」
「ダメって……」
「ついでに足も絡めとく」
そう言うやいなや、照は自分の足を俺の足に絡めてきた。
完全に拘束されて、身動きが取れない。
「照、それはさすがに動けないって……」
「別に動かなくていいじゃん」
「いやいや、トイレとか行きたくなったらどうすんの」
「今行きたくないなら問題ない」
「うわ、こいつマジで離す気ない……!」
じたばたと抵抗しても、照の腕も足もびくともしない。
それどころか、さらにぎゅっと抱きしめられて、心臓がドクドクと跳ね上がるのを感じた。
「心臓早くなってる」
「う、うるさい!!」
「可愛い」
「照のせいだろ!!」
結局身動きが取れないまま、観念して目を閉じた。
ふわりと照の匂いに包まれて、心地よさと恥ずかしさが混ざったまま、少しずつ眠気がやってくる。
「……しょうがないなぁ、もう」
「おやすみ」
照の低い声と優しいぬくもりを感じながら、ふっと息を吐いて、そっと目を閉じた。