ある日の夕方。
テレビの音がぼんやりと響く中、何気なく隣に座る康二の腹に手を置いた。
別に深い意味はなかった。
ただ、ちょうどいい位置にあったから。
それだけ。
「……?」
康二は一瞬こちらを見たものの、特に気にする様子もなく、また画面に視線を戻した。
ちょっかいをかけたくなって、そのまま手を動かしてみる。
ゆっくりと、円を描くように撫でる。
「ん……?」
最初は無反応だった康二が、次第にピクッと反応するようになった。
肩がわずかに揺れ、指先に力が入るのが分かる。
ちょっとビクビクしてる?
俺は意地悪な気持ちになり、もう少し続けてみることにした。
指先で軽くくすぐるように撫でると、康二の体がわずかに跳ねた。
「……っ、め、めめ……」
康二の声が小さく震えた。
耳がほんのり赤くなっている。
その様子が面白くて仕方ない。
「ん、なに? 期待しちゃった?」
冗談半分で言ってみると、康二の体がビクンと跳ねる。
「ち、ちゃうし! びっくりしただけやから!!」
慌てて距離を取ろうとする康二の腕を掴み、ニヤリと笑う。
「ほんとに? そんなに敏感なのに?」
「~~っ、めめのバカ!」
康二は顔を真っ赤にして、バシバシと俺の腕を叩いた。
「でもさ……こんなに赤くなってるし」
わざと顔を覗き込むと、康二はさらに顔を背ける。
耳の先まで真っ赤だ。
「ちゃうねん、 なんか変な感じがするから」
「変な感じって?」
「……こしょばいって意味!」
康二はふいっとそっぽを向くけれど、まだ俺の手を振り払わない。
むしろ、ほんの少しだけ体を寄せてきた気がする。
思わず笑みを深める。
「ふーん、じゃあもうちょっと続ける?」
「ちょ、やめ……っ、あ、ははっ、めめ、あかんて」
康二がくすぐったさに耐えられずに笑い出し、ついにはソファの上でじたばたと暴れ出した。
「やっぱ敏感じゃん」
勝ち誇ったように言うと、康二は涙目で睨んできた。
「……覚えとけよ、めめ……」
「お、反撃する?」
「今はやめといたるけどな……後で仕返ししたるからな!」
そう宣言する康二だったけど、どうせまた可愛い反応するんだろうなと確信していた。
コメント
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こーじかわいい😍😍