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「お、おい優子! どうなってんだよ! ちゃんと説明しろ!」
「せ、説明と言われましても……」
普段はほとんど感情を表に出さない黒宮さんが珍しく動揺している。そりゃそうだ。ぐるりを見渡すと、視界に入るのは目が潰れんばかりに煌びやかであり、眩く光る、そんな七色の橋だったから。
「あれだけお婆ちゃんにキツく言われてたのに……。ほんと、私ってバカだよな……」
「あ? 今、何か言ったか?」
「あ、いいえ。何も……」
言えるはずもなかった。
私が黒宮さんのことが好きだということがバレてしまうから。
母方の家系は代々霊感が強い。特に女性は。だから親戚にはやたらと巫女が多いのだろう。
そして私も例に漏れず、恋を成就させる縁結びの能力を持っている。そう、お婆ちゃんに教えられた。その時に言われていたんだ。『決して自分のために使ってはならない』と。それを使ってしまったんだ、私は。自分自身に対して。禁忌とされているにも関わらず。
「ここ、本当にどこなんだよ……。おい優子。ちゃんと帰れるんだろうな。さっき何をしたのかしらねえが」
「だ、大丈夫です。たぶん……」
「たぶんじゃねえよ!」
帰れるかどうかは分からない。だけど、私も黒宮さんも、この後すぐに知ることになる。一体ここがどこなのか。
ここは、黒宮さんが書いた小説の中の世界であることを。