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⚠は第4話
「」→頭の中、ナレーション
「」→セリフ
第6話
あれからも、弟は夜更かしまでして
俺の症状を調べていた
それでも俺の目に咲いた花は
そんな弟の思いを踏み滲むかのように
色が変わっていった
「なぁ…ヴェスト…最近疲れてるんじゃないか?」
俺の事など気にせず、今まで通りイタリアちゃん と日本と一緒に遊んでて欲しい
そんな言葉をかけたが…
弟はまだ何かを考えているようだった
「しっかり休めよ…?」
とりあえず、寝てくれ
それでまた明日から俺と一緒に訓練したり…
それで…
「誰のせいだと思ってる!」
弟は声を荒らげて俺にそう言った
「ヴェ…ヴェスト…?」
違う
怒らせたかったんじゃない
「…ヴェスト…ごめんな…俺様邪魔したよな…分かった、黙ってるから…」
ごめん
本当は
本当は知ってる
俺の目に咲いたこの花の事
これが完全に白になったら
俺は
それに気付いたのは2日前
夕飯を作ってたら
昔の傷がまた開いた
絶対に開くことの無い傷が
それに…何処かでこの症状を見た事がある
…でも一体…どこで
「ギルベルト」
…これは誰だ?小さい頃のヴェストか?
「…あの子は元気か?」
あの子…?
「お前…なんで胸んとこに花が…それにこの前の傷開いてんじゃねぇか!? 」
ぁ…そうだ
”神聖ローマ”
これは自分の大切な場所に咲く
だから神聖ローマは胸に咲いた
小さい頃のイタリアちゃんを思う気持ちが
胸に全部詰まってる
俺は
ずっとヴェストの事をこの目で見守ってきた
だから咲いたんだろう
だからよ、ヴェスト
これは宿命なんだ
救いようがねぇんだよ
だから、俺のために必死にならないでくれ
お前が辛くなるだけだ
こんな自分勝手な兄貴を