テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
第3話 優先順位
Tさんは、介護福祉士として病棟に勤務していた。
それまではデイサービスや老人保健施設に勤めていたのだが、たまたま求人雑誌に載っていたその病院の夜勤つき勤務は給料が良く、それで転職して来たのだ。
夜勤は老人保健施設で体験していたし、この病院の看護師は介護士に対してむやみやたらに命令をしたりしないので、「良い職場だな」と思ったそうだ。Tさんは、自分が男だから喜ばれているのかもしれない、とも思った。というのも、病室のテレビの修理や電球交換など、女性が不得手だとおもうこともよく頼まれたからだ。
『福祉』の現場ならともかく、『医療』の現場では、医者が頂点で、その下に看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等がおり、介護福祉士はその末端だ。一昔前なら、「使い捨て」とまで言われ、酷使されていた。
だからこそ、覚悟をしてきたのだが……。
この病院は、とにかく入って来た人材を大切にした、という。
その様子に、Tさんは、若干拍子抜けしたが、給料が良くて待遇がいいなら文句は無い。Tさんは一生懸命働いたという。
ある日の夜勤での出来事だ。
その日は、頻繁にナースコールが鳴ったのだという。
Tさんのいる療養病棟は看護師1名と介護福祉士1名で、約40名を夜勤時は
1