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休み明けの1月8日金曜日。
始業式の後、午後からは通常授業が始まってしまう。
ただ土日は休みだし、次の週は試験休み。
つまり今日を乗り切ればまたお休みだ。
そして午後の授業を乗り切って放課後。
準備室に先生を含めた全員が集合した。
「明けましておめでとう御座います」
まずは先生と新年の挨拶から。
「今年も初詣と七草粥はやったんですか」
「どっちも楽しかったのだ!」
「私と未亜は残念ながら七草だけです。家の行事が色々あったので、5日までは実家でしたから」
「私も実家が寺ですから、年末から行事でずっと忙しかったんですよ。ようやく昨日の夜に戻って来ることが出来た感じです」
冬休みの間のことをひとしきり話した後、今日の本題に移る。
今日の本題とは、亜里砂さんが持ってきたでっかいピンク色のザック。
ザックそのものは雪山でも使っていたけれど、中身の方が本題だ。
中から出てきたのはテント一式、クッカー、バーナーと赤い金属製のボトル。
「この辺りがまだ試していない装備なのだ。特にバーナーの方は経験者に指導して貰ってから使うようにと父から言われているのだ」
「でしたらまず、このバーナーからにしましょう。テントはここで広げるには大きすぎますし」
そう言って先生は黒い袋から、バーナーと何か不明なプラスチック部品を出す。
「燃料はガソリンと灯油、どっちを使っていたと聞いていますか」
「バイクのレギュラーガソリンをそのまま使っていたと言っていたのだ。中に灯油用の交換ノズルも入ってはいるけれど、ほとんど使っていないそうなのだ。ただ燃料類はまだ買っていないのだ」
「なら今日はここの資材の洗浄用ホワイトガソリンと、プレヒートには液体アルコールを使いましょう。本当はプレヒートは固形燃料を使うのですけれど、ここには置いていないですから」
「プレヒートって何ですか」
初めて聞く言葉だ。
「ガソリンや灯油などの液体燃料を使うバーナーは、燃やすために燃料を気化させる必要があるんです。ですから使う前にバーナー部分に固形燃料を置いて温めてやります。これがプレヒートという工程です。これをちゃんとやらないと、液体のまま燃料が吹き出して火事になりかねませんから注意して下さい」
「ガスと違って面倒なのだ」
確かにそうだなと僕も思う。
「日本ならちょっと探せばアウトドア用のガス缶を買うことが出来ます。でもそんな国ばかりでは無い訳です。でもガソリンや灯油なら、どんな国でもどんな場所でも大体売っています。プレヒート用の固形燃料は1か月分でも、せいぜい爪楊枝の箱程度の大きさですしね。あと雪山とか寒い場所でも、ガスと違って普通に使えるという利点もあります。それに手間がかかる分、焚き火みたいで味があるという意見もあるんですよ。ただ自動車用やバイク用のガソリンを使うと煤が出てつまる事があるので、できればホワイトガソリンを使ってやってくださいね」