____ゾム____
そう優しく話かけてくれたのは誰だったか。もう記憶にはない…何時からか自分は、自身に対して無関心になってしまった。
…あぁ、そうだ。ちょうど13の誕生日からだった。考え方が大人になりつつあるあの頃は、誕生日が好きで祝ってと話駆け回っていたあの頃とは違く、とてもつまらないものだった。優しく話しかけてくれた友人の言葉も嬉しいとは思えなかった。両親も、…誰に言われても嬉しいとは思えなかった。両親は俺の誕生日を自分の誕生日であるように自身の事しか考えていなかった。
そんなとき、いつも誰かが傍にいて話しかけてくれたような気がする…でも、それが誰だったかでさえ俺は興味が無く、覚えていない。
自分にちゃんと、心が戻ってきたのはやはり今の仲間と出会ってからだと思う。
軍内というのに、自分に優しくしてくれて…自分を主役にしてくれた此処はとても居心地のいい所だった。
メンバーも優しく、自分を認めてくれた。
でも、…やっぱり、……
誕生日の時に、話しかけてくれる優しい声のあの人に会いたいと、…そう思うのだ。
『…はぁー、…』
机に突っ伏しながら、書類を進める。今回の依頼についてだった。今回の依頼は外交の護衛だった
今回は、相手側の国がうちの国に来てくれるらしくそこでの護衛になる。うちの国の為、戦うなんて可能性が低い為つまらない依頼だ。
まぁ、…俺に回ってきた依頼やから仕方なくやるんやけど…、
『…あ、』
万年筆で書いていた書類は、インクが無くなってしまい途中から薄くなっていた…、物事を考えながら書いていた為気づかなかったようだった
『……まじかよぉ、…』
インクは、主自室か、とんとんの部屋か、談話室にあるはずなので足早に向かう。
とんとんの部屋に置いてある理由は、トントンが生真面目すぎてすぐに切れてもええように置いてた…とかだった気がする。談話室は普通に幹部がそこで書類をすることも多いため置いてある。今回は、休憩がてらに人とも話したくなった為談話室へと向かうことにする
談話室の扉を開くと、誰も居なかった。
『…あ”…そーや、』
今日は、幹部は皆訓練場に居たはずだ…。俺も行こうとしたんやけど明日外交の護衛やから一応体力を温存しとけということで、訓練に参加することが出来なかった。
『…彼奴ら…、…まぁ、ええわ』
適当に自分の使っているインクと、ココアをつくり、書類も一応持ってきていたので談話室で机の上でやることにする。
机に綺麗に広げた書類と右に万年筆、ココアをセッティングして、クッションを持って自分の座りたい場所へと放り投げる。
ボフッと大きな音をたてながら自分も座り、やりだす。もう冬なのでココアがよくしみる…、なんてやっているとやっぱり手足が冷たい事に気づき、面倒くさいが布団を取り出し足にかける。書類を進めて、きりのいい所までやったあと段々と暖かいし、集中力切れたしで眠くなりだす。
別に書類もあと少しだし、眠いし、…みんな居らへんしええかと机に突っ伏して瞳を閉じる。
『…ゾム〜!?』
ぼやけて、青色の何かが見える。青色の髪の人は俺を見て優しく笑ってくれた。頭を優しく撫でてくれる。
俺は、何か言葉を言うと//”…/__|と困ったように笑ってくれた。
ある時場面は変わって、…その青色の人は、何処かへと歩いていってしまう、
俺はその人を走って追いかける。小幅の狭い俺は、その人に追いつけなかった。
転んで、泣いても…その人は振り向いてもくれなかった。
手を伸ばした。
___ゾム___
その手は届かずにするりと落ちた。
___ゾムッ!!____
名前を呼ばれて目を覚ます
『…ん、…』
青色の瞳が見えた。
『………らっだぁ?』
「…んぇ、?…いや、ちゃうよ…ゾムさん寝とったから」
ヘラヘラと笑う大先生だった。
『なんや、…大先生か。』
「…って、…さっきゾムさんが言ってたなんちゃらって…なんなん?」
『…いや、…わからん。突然頭に浮かんで言ったから…覚えとらんし。』
でも、…とても優しい人だったのは覚えてる。
『…あ、…書類トントンに提出しなあかんのに…』
目を擦りながら、眠そうな声で言うと
「それなら僕提出しとくよ、…明日もゾムさん任務あるんやろ?…ええよ、寝とき。」
と、優しく言ってくれた為甘えることにする。
「夕飯になったら起こすから」
『…うん、…ありがと、だいせんせ』
再び眠りにつくが、…あの夢は見ることは出来なかった。
あの後、夕飯を食べ終わり部屋に戻る。
『…んー、…ずっと眠いなぁ。』
フードを降ろし、首に掛けられたペンダントを見つめる。
『…これがヒントなんかな。』
青色の宝石…、自分は森の中で血まみれで倒れていたらしい。…その前の記憶はない。
ただ俺の事を拾ってくれたとんとんが言っていたのは、ずっと手にこのペンダントを握りしめていたってことぐらいやったかなぁ。
その後俺は、明日の任務の為に早めに就寝した。
朝起きて、ペンダントを首に掛けたあと、フードを被りいつものように朝ごはんを食べる。
午前からの外交なので、外交を行う対応室の方まで向かう。
ふと、窓から門の方を眺めると青い髪の人や、緑の帽子をかぶった人、金色のパーカーや、紺色のスーツを着た人、赤髪の人が見えた。みんなでわちゃわちゃと話しているようだった。
『……』
どうしてか、…眺めてしまいそれを気づかれたのか青髪の人と目があう。
とても綺麗だった。…でも、その瞳に囚われてしまいそうだったからすぐに応対室の扉を開けて入った。
今回は、幹部全員参加なので取り敢えずグルッペンの隣に居るのが自分というだけで皆今日は任務だ。
『……んー、』
大先生が案内人として、運営国の人らを連れてくるらしい…、…ふと、ぼーっとしていると、話し声が聞こえてくる。…近づいてきたな。
…ナイフを腰に括る、…扉がゆっくりと開いてな中へと入ってくる6人。
大先生はそのままこちらに歩いてくる。
青色の瞳の人は…凄く驚いたような顔をしてこちらを見ていた。
その時、…青色の瞳の人は一言だけ呟く
「…………ゾム?」
『…ぇ?』
知らないはずなのに、…、どうしてか、…、
怖かった
『……誰?』
「…人違いだったぽいわ、…ごめんね〜、俺はらっっっだぁです!!!」
青色の瞳に青色の髪を風に靡かせた綺麗な人。
「ばときょーっていいますぅ、」
ばどきょーと名乗った人は、人目見た時にトントンみたいと純粋な気持ちになった。黄色の瞳はこっちを向いて、悲しげにしていた。
ru「レウクラウドです!」
レウクラウドと名乗った人は、とても赤色の瞳が綺麗で帽子がとても似合っていた
mb「…ア、…エッ…、」
ru「緑くんです!!」
緑くん…と呼ばれた人は、翡翠の瞳がこっちをずっと眺めていた
kn「コンタミと申します。以後お見知りおきを」
不思議な雰囲気を纏う彼は、こちらを向いて綺麗な瞳を向けていた。
続きはまたいつか。
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