テラーノベル
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太一は森の奥深くに潜みながら、次の標的を探していた。月明かりが木々の隙間から漏れ、俺の目を光らせている。憎悪が体内を駆け巡る感覚は今や心地よいものとなっていた。
「奴らを一人残らず……」
そう呟いたとき、遠くから馬車の音が聞こえた。商人の一行だ。護衛の数は三人。ちょうどいい実験台だ。
姿を隠しながら近づき、まず護衛たちに眠りの魔法をかけた。抵抗する暇もなく崩れ落ちる。馬車の中には貴族らしい男とその妻と思われる女がいた。太一は笑みを浮かべて扉を開ける。
「何者だ!?」
男は震えながら剣を抜こうとするが遅い。彼の指先から放たれた赤黒い光線が彼の体を貫いた。
「うがあああっ!」
その叫び声はすぐに獣のような咆哮へと変わった。男の皮膚が硬質化し始め、腕は長く伸びていく。顔は狼のように変わり果てていた。
「素晴らしい……」
満足げに頷いた。だが実験はまだ終わっていない。今度は女の番だ。恐怖に引き攣った表情を見るとぞくりとした快感が背筋を走る。
「お願いします……助けて……」
哀願する声を無視し、同じ魔法を放つ。悲鳴と共に彼女の体が蛇に変形していく様子は芸術作品のようだった。やがて完全な化け物となった二人を見て、俺は静かに微笑む。これが太一の計画の一端だ。
計画……それは人間を滅ぼし、モンスターだらけの世界にすることだ
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