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「よォ鰄郎、俺を覚えているか?」
そこに、カノが現れた
「やぁカノ、まだまだガキみたいだね」
「あぁ?」
鰄郎とカノは、数十年前に一度顔を合わ
ていた
「本当、柳って人は所々で活躍してる
ようだね、早急に殺しておくべきだ。」
「お前の大人ぶってるとこが気に入らねぇ、
不快なんだよ」
「君が子供すぎるんじゃないか、能力も
アホや君にピッタリな代物だ」
「…俺はお前とお話をしに来たんじゃねぇ」
そう言うと、カノは鰄郎に指を指した
そして次に、その手をグーの形にした
ドッ!!
「君の能力は確か、暗人化だったかな?
シグマが君でも扱いやすいようにした
攻撃向けの能力、主に夜岸という空間を
削り取って進行する球体を生成するようだね」
「下調べかよ、気持ちわりぃ」
「そしてさっきの手の動きは、対象を
捉えるための予備動作ということか」
瞬間、カノの指ひとつひとつが黒く
燃えた
「残念だけれど、今回の襲撃は想定済みだ
今、うちの最高の戦闘員が柳を探し出して
るよ」
「…そうか、ならお前を殺してさっさと
そいつも殺してやる」
「はっ…はっ…」
柳は、ショッピングモール内で逃げていたが
「…くっ!」
「お前が柳か」
すぐに見つかってしまった
「死ね、柳」
治が、柳に向かって小口径弾丸を放った
ドッ!
すると、いきなり柳の床の底が抜けた
「うぉっ!」
「逃がさねぇ」
そう言って、治はできた穴に手榴弾を
放り込もうとしたが
カッ!
「!?」
「…空間が削られている?」
治の目の前に、見えない壁が生成されていた
いや、無理やり作られたような感じだ
「カノ、全てを捨てて逃げろ、勝ち目は
ないと分かってるだろ?」
「俺がそんなことをするような人間に
見えるなら、今すぐ目の手術を受けて来い」
カノは治に向けてデコピンのような形を
作り、中指を弾いた
ボッ!!
その瞬間、指に纏っていた黒い炎が
鰄郎を襲った
だが、鰄郎はそれを直ぐに避けると
凄まじい踏み込みでカノのすぐ目の前へと
移動した
「はやっ」
鰄郎は、自分の握った拳を黒い炎で覆った
そして、その黒い拳を思いっ切り
カノのみぞおちに打ち込んだ
「かっ!!」
それと同時に、鰄郎の黒い炎がとある
化学反応を起こし、衝撃波を解き放った
パンッ!!
破裂音のような音とともに、2人は吹き
飛んだ
「くっ…クソが…」
カノがいきなり膝から崩れ落ちたのだ
「俺の能力の把握ぐらいしといたらどうだ?」
カノの目から大量の涙が溢れ出た
「なるほど…感情の操作か」
途端、カノの雰囲気が変わった
(…なんだ?いきなり無感情に…?
俺の能力が効かない?)
「鰄郎…死ぬにはいい日だと思うが」
その瞬間、炎が指から腕全体を覆い、
色は漆黒に蒼が加わった美しいものと
変化した
通称無の夏之優太と呼ばれるほどに、
カノは感情というものを持ち合わせて
いなかった
(最悪だ!ピンポイントで俺の能力の
アンチ対象…!)
カノは下からすくい上げるように腕を
動かした
すると、その地点から鰄郎の所へ
青黒い炎が襲った
グン!
「うぉっ!」
黒い腕が鰄郎を掴み、上に持ち上げた
「…お前は」
「お前誰だ?鰄郎さんの敵対者か」
「お前が噂の時織治か?ひょろそうなやつ
だな」
「そういうお前こそ、ガキみたいに小さい
じゃん」
「あぁ?」
ドッッッッッ!!!
治は尋常じゃないくらいの踏み込みで一瞬で
カノの前に舞い降りた
「…っっは!?」
(…俺の暗人化が解除された!?どいうことだ)
そこで、カノはあの会議を思い出した
(能力の無効化…っ!!)
「執行…」
ズバッ!!
治は、刀でカノの腹を一文字に斬った
「ぐぁっ!」
ドサ…
カノは、大の字になって倒れた
傷口から大量の血液が溢れ出る
「く….あ….」
「…なぁ、お前らは何がしたいんだ?
俺達は平和を望んでんのに、お前らはそれ
以上に何を望むんだ?」
ボッッ!!
「っ」
瞬間、カノの体が蒼黒い炎に包まれた
「危ねぇな、死んだらどーすんだ、あ?」
シュッ!
「つっっっーー…!」
治の腕は、蒼黒い炎に覆われてしまった
「ぐっ!!クソ!」
治は即座に腕をランダムシグマで保護した
だが、困難はそれだけでは終わらない
カノは手をグーにした
パッ!!!
瞬間、治の腕が大爆発を起こした
「…治君!!!!」
爆風が鰄郎を襲った
「けほっ…けほっ…」
視界が遮られていて状況が見えない
鰄郎の屈辱の目に、衝撃な光景が写りこんだ
「…これは」
治が、カノに馬乗りになっていた
「本当、馬鹿なんだなぁお前」
「…な、なん…なんなんだよ…お前」
ドッ!
治がカノの顔面を殴る
「…馬鹿はお前じゃねぇかよ」
ダンッ!!
カノが、治の顔面目掛けて発砲した
治の頭から、勢いよく鮮血が舞う
ドッ…
治が馬乗りの体制から左へ倒れた
「はぁ….はぁ…」
グサッ!!
「はっ!?!?」
「カノ、お前の墓はここだ」
死んだはずの治がカノの腹に短刀を
突き刺し、右斜めに裂いた
ビチャッ…
床に血が散らばる
「ゴフッ…」
カノが大量の血を吐いた
致命傷だ
その瞬間、空間が歪んだ
気づいた時には、人が賑わっている
普通のショッピングモールに戻った
「…治君、無事か?」
ドサ…
「治君!?」
治の体をよく見ると、とんでもない程度の
火傷が見て取れた