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「あべちゃん、あべちゃん!今の顔めっちゃええわ!」
楽屋のソファ。向井康二は、いつものようにカメラを構え、隣に座る阿部亮平を激写していた。
阿部も慣れたもので、カメラを向けられると瞬時に「あざとい」ポーズを決める。
首を少し傾げ、口元に手を添える。完璧なアイドルスマイルだ。
「こう?」
「うわっ、天才!あざとい警察出動やでこれ!」
康二はキャッキャと騒ぎながらシャッターを切る。
しかし数枚撮ったところで、康二はふとカメラを下ろし、モニターを確認もせずにテーブルに置いた。
「……ん?もういいの、康二?」
「おん。もう満足した」
康二はそう言うと、ポーズを解いた阿部の方へ体を向け、じっとその顔を見つめた。
「……写真は十分や。……やっぱ、本物が一番可愛いもん」
「え……?」
不意打ちの言葉。
阿部がキョトンとしていると、康二は阿部の腰に腕を回し、ぎゅっと抱き寄せた。
「写真のあざとい阿部ちゃんも好きやけどな。……俺に見せてくれる、その素の顔が一番好きやねん」
「……康二、それ……反則」
阿部の顔が、ポーズではなく本気で赤くなる。
計算高い阿部も、康二の裏表のないド直球な褒め言葉には、いつも計算を狂わされてしまう。
「照れてる阿部ちゃん、ごっつ可愛ええわぁ……」
「……もう、からかわないでよ」
「からかってへんよ。本気や」
康二は阿部の肩に顎を乗せ、甘えるようにスリスリと頬を擦り付けた。
「なぁ、あべちゃん」
「なに?」
「勉強もええけどさ、今は俺のことだけ考えて?」
上目遣い。康二なりの「あざとい」攻撃だ。
でもそこには、阿部への純粋な独占欲が見え隠れする。
「……俺、あべちゃんが賢いのも好きやけど、俺の前でだけ甘えん坊になるのも大好きやねん」
「……それは、康二が甘やかすからでしょ」
「せやな。俺が甘やかしたいねん」
康二は阿部の手を取り、指先一つ一つにキスをするように唇を触れさせた。
「……あべちゃんは、俺だけの特別やからな」
「……ん……」
「大好きやで。……これからも、俺の専属モデルでおってな」
阿部は真っ赤になりながらも、康二の肩に頭を預け返した。
カメラのレンズを通さない、二人だけの世界。
そこには計算もあざとさも必要ない、ただただ甘い空気が流れているだけだった。
next…阿部亮平争奪戦 1/18
コメント
4件
そっか~次はだれにする?
こーじのちょっとSぽい雰囲気? 独占欲丸出しな感じが好きすぎる!!あべちゃんのあざとさはいつも通りサイコー! 続き待ってます!
間に合ったぁ!!また忘れるとこだった!!